「相続争い」になると、かってのお互いのことを思い合える仲のいい兄弟姉妹の間柄が、まるで嘘であったかのような光景が繰り広げられます。


一見、それは、目の前の財産だけに目がくらみ、我欲丸出しで、あたかも奪い合っているかにも見えてしまいます。


でも、よく聞きますと、「どうして、あの人が、自分より多く財産を貰うのかしら・・・・・」というように、感情的に割り切れない思い、不信感が原因であることも少なくないようです。


つまり、争いの原因は、財産そのものということよりも、別のところにあるかも知れません。

相続人同士の間で、これまでのお互いの、ちょっとした行き違いや、誤解などが、少しずつ積み重なって大きくなっていったものでしょうか。


すなわち、相続をきっかけに表面化し、思いもかけないトラブルに発展することもあります。

つまるところ、こういう場合は、こころ・感情の問題と言えなくもありません。


財産は、本人や家族の協力で築き上げ、守ってきた大切なものであります。

先祖代々引き継がれたものであれば尚更、円満な相続により、子孫にも代々引き継いで貰いたいものであることは、誰もが考えるはずです。


相続の後も、これまでと変らず、親族として互いに思いやり、助け合い、時には子供の頃を思い出して、良好な関係を保っていくことが、正しく、理想でしょう。


"思いやりと、互いに心通う相続により、故人の財産を承継する!"


そのことが、かけがえのない、真に大切な財産を守ることと言えるのではないでしょうか。


     行政書士  平 野 達 夫