先日、東京築地の聖路加国際病院での診察の後、暖かな快晴日和に恵まれたこともあり、私は、のんびりと近くの散策を楽しむことにしました。


隅田川の土手沿いに5分程下ると、そこは、勝鬨橋です。

橋のたもとの程狭いスペース脇に、ひときわ聳え立つ一本の石碑が、私の目に入りました。

綺麗に磨かれた石碑です。

近づき見ますと、「海軍経理学校の跡」と、力強くも刻まれています。


その昔、築地に校舎があったことは、何かで読んで知ってはいましたが・・・・。

ここに、あの海軍経理学校があったんですね・・・・・・。


海軍経理学校は、旧海軍の三校の一つで、海軍兵学校、海軍機関学校と共に、当時旧制中学に在籍する日本中の俊才が集まったそうです。

卒業した後は、主計少尉に任官され、武器、弾薬、食糧の補給や海軍予算の編成などを担当したと言われます。

終戦後、帝国海軍の解体により廃校となりました。


碑の後ろに廻って見ますと、一つの詩が刻銘されています。

海軍経理学校校歌です。


      ゆるぎない 御代の海     

      うつすちょう 東京湾頭

      波寄する 築地の岸に

      聳え立つ 我等が母校

      星 移り 人は 変れど

      古りし庭 昔を 語り

      五十年 光栄ある歴史

      永久に 我らを 照らす

      嗚呼懐かしき我等が母校

      母校の光栄は我等が誇り

      この誇り捨てず進み行くこそ

      我等が担う永久の使命ぞ


皆さんの中に、この校歌をご存知の方、おられますか。

今この詩を読んでみても、心昂ぶるものを感じてきます。


思い出しました・・・・。

以前、私の職場の先輩に、海軍経理学校出身の方がおられました。

その後中央大学の法科に進み、任官して、現在公証人をされています。

ここで学び、戦後の日本の復興に捧げた方々も多くおられると記されます。


私、暫し、石碑を仰ぎ見ます・・・・。

大分、時間も経ってしまいました。

心引かれる思いで後にし、私は、次の目的地の浜離宮へと向かいます。


     行政書士  平 野 達 夫