相続の中で、先ず問題となるのは、「遺産分割」でありましょう。

遺産を分割するには、相続財産の客観的な価値を認定することが必要です。

この方法としては、鑑定があります。

もちろん、他の方法でやることも違法ではありません。

遺産が殆んど不動産である場合は、当事者が合意して「固定資産税台帳記載の評価額」を基準として分割する方法がとられているようです。

共同相続人全員が、明確に同意すれば支障がないと云えます。


遺産の分割方法としては、「現物分割」、「換価分割」、「代償分割」、「共有」する方法があります。

「現物分割」は、遺産に属する不動産、動産、有価証券等を、それぞれ相続分に見合うように分割する方法です。

「換価分割」とは、遺産を換価して、その対価を分割する方法です。

「代償分割」とは、遺産を共同相続人の一人が取得して、その者から他の相続人に見合う金銭を支払うなど、債務を負担させる方法です。

「共有する方法」とは、遺産の全部又は一部について、共同相続人の共有とする方法です。


ただ遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類や性質、各相続人の年齢、職業、生活の状況などを考慮してすることが必要です。

被相続人が、「遺言」で禁じた場合を除き、相続人はいつでも協議で、遺産の分割をすることができます。

なお、相続人の遺産分割協議が整わない場合は、各共同相続人は、家庭裁判所に、その分割を請求することができます。


次に、遺言による「遺産分割方法の指定」があります。
これは、被相続人が「遺言」で分割の方法を定めることです。

また、この分割の方法を第三者に委託することもできます。

更に、被相続人は、相続開始の時から、5年を超えない範囲内で分割を禁ずることもできます。


相続では、相続人を確定することが必要でありましょう。

相続人の確定をするためには、先ずは、被相続人の戸籍を出生から死亡時までを集めます。

この戸籍の収集が大変な作業となります。

なお、「相続人なし」と確定した場合、家庭裁判所は、「特別縁故者」に財産の全部又は一部を、与えることが出来るとなっています。


    行政書士  平 野 達 夫