成年後見人は、認知症や判断力が不十分な人のために、代わって財産管理や療養・介護など行います。
脳梗塞で倒れ、障害を負ったお父様の成年後見人になられる方も、多くおられることでしょう。
ところが、銀行口座の解約や名義の変更といった手続となりますと、なかなか簡単にはいかないようです。
私にも、被補助人の方の委任状をもって、閉じた口座の再開に向け銀行に赴きましたが、容易に理解が得られなかった苦い経験があります。
銀行によっては、こちら側からの話す状況に耳を傾け、丁寧に応対されることもあります。
責任ある担当者、課長さん、時には、次長さんや支店長さんが出て来られます。
でも多くは、窓口で形式的に話がなされ、片づけられてしまいます。
例えば、「これは出来ません・・・」、「これは駄目です。書類の記載が不十分です。」
「これこれの書類を用意して下さい。」などと、言われて帰されてしまいます。
実際には、そうした手続や申請の仕方も各銀行でばらばらで、皆さん大変戸惑っているのが現状のようです。
銀行の窓口の対応も不慣れで、本当にこの人、「成年後見制度」について知っているのか、どの程度の知識を持ち得ているか、疑問にさえ感じます。
正直、「あなたは、被後見人の利益を、考えたことがありますか。」と、言ってやりたいくらいです。
申請書類の書き直しも、しばしばあると聞きます。
近年、「成年後見制度」が、国民の間に広く知られてきたとは言われます。
しかし、この制度の理解が、利用が、まだ一般的で行き渡ってないと感じるところです。
これから先々、高齢化がより進めば、この制度を必要とする人は、ますます増えてまいりましょう。
銀行など金融機関は、預貯金など管理をすることで、不正など犯罪防止のためには、厳格な確認作業は、もちろん必要であり、どうしても欠かせません。
しかし、金融機関への提出書類は、せめて各行共通なものにするなり、分かり易いものにして欲しいと思います。
更に、銀行の窓口で成年後見に関わる対応をするのであれば、なおさら考えて頂きたいです。
金融機関、銀行のご担当の皆さん!
もっと、成年後見について勉強して下さい。
広い見識と運用から、お店に来られた方に、分かり易く説明し、親切な対応を心がけて頂きたいところですね。
行政書士 平 野 達 夫