成年後見人について、いろいろと述べてきましたが、未だ分りにくい点もあるかと思います。

これからは、「Q&A」の形にして、具体的に項目を上げ何回かに分け説明していきたいと考えます。

あなたにとって、何か知り得る点があれば幸いです。


 Q 後見人に選任されましたが、どの様な仕事をするのでしょうか。


 A  後見人は、「被後見人の治療・介護に関する契約の締結」や、「被後見人の財産の管理」をします。

   また、行った職務の内容を家庭裁判所などに報告します。


  痴呆、知的障害、精神障害などの精神上の障害により、判断能力を欠く方は、自分で治療や介護を受ける契約を結ぶことができません。

自分の財産を適切に管理することができません。

そのような状態を放っておくと、十分な治療や介護が受けられなくなったり、財産が失われてしまうおそれがあります。

そこで、このような方に代わって、治療や介護を受ける契約を締結したり、財産を管理する人が必要になります。この役割を果たすのが、「後見人」です。

家庭裁判所は、このような目的から、被後見人の生活や財産の状況、或いは、「後見人候補者」のこれまでの経歴、被後見人との関係などさまざまな事情を調べます。

例えば、特に利害が対立することがないかどうかなどです。

被後見人のために誠実にその職務を果たすことができるかどうかを判断した上で、「後見人」を選任します。

後見人とは、このように家庭裁判所から選任され、家庭裁判所と協力し合って、被後見人のために働いていただく、被後見人にとってなくてはならない方です。

 したがって、後見人は、被後見人の財産に関する法律行為について、全般的に「代理する権限」を有します。

即ち、被後見人の財産の全面的な管理権を有します。

このような後見人の行うべき行為は、被後見人の治療や介護など身上に関連する事項が多いので、後見人は、職務の遂行にあたっては、被後見人の心身の状態及び生活の状況に十分配慮しなければなりません。

後見人は、その職務の重大性から、重い責任も課せられています。