寒い朝を迎えました。

今日はちょっぴりお寝坊しての日曜日、郵便受けの新聞を取りに、部屋を出ます。

 あぁー、寒い。

冷気が肌にしみます。

私は、ふと何気なく目線を斜め向かいにやります・・・・・・。

お隣の梅の古木が小さな蕾をつけています。

仄かに赤みを帯びた、とても可愛い蕾です。

 2月初旬のこんなに寒い時期に、花の蕾をつけるなんて・・・・・。

もうすぐ春がやって来るんでしょうか・・・・・・・・・・。

 " 東風吹かば 匂い起こせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな "

 これは、遠く九州の大宰府に流され来て、今咲く梅の花に、春の訪れと離れた都への思いを託して「菅原道真」が詠んだ和歌です。

「古今集」や「後撰集」などに顕わされている、誰しもが知っている有名な歌です。

 私達は、今ここ「若林」の地に移り住み、仮住まいをしています。

近隣は樹木も多く、静かな住宅地です。

梅の木も見ることが出来ます。

 前住居の三軒茶屋には、梅の古木が何本かあったんです。

爛漫の桜も素晴らしいですが、梅は、控えめで、清楚で気品があります。

父や母が、祖父母が、こよなく育ててきた梅の木です。

梅の花は、とても好きです。

時には病んだ私の心に、春の明るい訪れと仄かな香りを運んでくれます。

 今三軒茶屋の地では、梅を見ることは出来ません。

全部、伐採してしまったんです。

家の建築を考えて、全てが更地になりました。

とても残念で、口惜しいものがあります。

 私達の移り住む地では、この時期小さな蕾をつけた梅を見ることが出来るでしょうか・・・・・・・。

" 東風吹かば 匂いおこせよ 梅の花 ・・・・・・・・・・"