いつか会ってみたいと思っていた人だった。

彼の選ぶピアノの音色からすでに
音楽への愛を感じる。

心にスッと入ってくる歌声
キャッチーなメロディと歌詞
ひたむきに歌う姿が、終始美しかった。

どんなに派手な衣装を着ても自然体で
彼がステージに出るたびに
なぜかホッとしたのは

「この人に任せたら絶対大丈夫」と
思わせてくれるような、みんなを包み込む
大きなハートの持ち主だからなのだろうか。

その答えは、コンサート途中に
映し出されたメッセージで確信に変わった。


平原綾香「からっぽのハート」のMVに
参加してくれた
レスリー・キーさんの知り合いである
張さんが誘って下さり

今回、歌手Jay Chouさんの
アリーナコンサートに行くことができた。

Jay Chouさんとの初めての出会いは
写真集の“中”だった。

写真家 坂田栄一郎さんの写真集に掲載された
私の写真のお隣りが
Jay Chouさんだったのだ。

数百人の中で、お隣同士になるのも
何かのご縁だと、記念にその隣り合わせの
写真を撮っていた。


場所はKアリーナ。約2万人のお客様を前に
開演は10分も押さなかった。
もうそれだけで、かっこいいなぁと思う。

コンサートは、女性ファンの方の
キャーーー!と言う歓声も多いが
それと同じくらい男性ファンも多い。

映像を全面に使ったステージ。
大規模な演出なのに
ちゃんと音楽が聴こえてくる。

映像のクオリティや色彩が
3時間ずっと綺麗だった。

大きな大きなLED。
映像と共に、全曲の歌詞と
日本語訳が映し出されるのが嬉しい。

途中ではJayさんが三味線を弾く姿も。
そのアレンジや演出には
大きなリスペクトを感じた。

昔から伝統的な楽器を使った楽曲を
多くリリースしているそうだが
今回も日本公演に対する愛情を強く感じ
ときどきしゃべってくれる日本語にも癒された。

Jayさんの歌に合わせて
お客さんが口ずさむ。

“爱是不是不开口才珍贵”
愛は口にしなければ尊いのでしょうか
ー「最長的電影」よりー

この歌詞を2万人の合唱で聴いたときは
自然と涙がこぼれた。