ふと、源氏パイはなぜハート型なのだろうとの疑問が浮かびました。
調べてみた所、フランスの焼き菓子パルミエというものを参考に作ったのだそうです。
だから、形もそのまんま。
なぜ「源氏」なのかというと、和風の名前を考えていた時(発売開始は1965年)に1966年のNHK大河ドラマが「源義経」に決まったため、それにあやかった模様。
最近では「平家パイ」という類似商品が出て来たと思っていたら、それも同じ会社から発売されていました。
それはそうと、ハート型はパルミエから来ている様ですが、パルミエはPalmiersと書き、要は椰子(ヤシ)の事らしいです。
しかし、ヤシと言ってもその葉も実もハート型とは言いがたい。
形よりも、実の繊維が何層にも重なっている所をパイの積層構造に見立てたのでしょうか。
少々強引ですが構造はそれでいいとしても、なぜハート型?
ハート型は現在では心臓を表すシンボルとも言われます。
日本でも、建築などでみられる同様の形の文様や透かし彫りは猪目(いのめ)と呼ばれますが、こちらはハートの部分がくり抜かれている事が多いようです。
西洋の方のハートの起源としては諸説あり、心臓の形だとか、女性の体の一部から象形化したものなのだとか、薬草シルフィウム(シルピオン)の種または果実が「ハート」型だった事からという話まであります。
要はよく解らないという所ですが、ついでなのでシルピオンの話でも。
シルピオンは、現在のリビアに位置するキュレネという古代都市の繁栄を支えていたそうです。
キュレネにはアポロン神の神託を受けたギリシャ人がサントリーニ島から当初200人で移民し、それが最盛期には10万人もの人口にもなったのだとも。
シルピオンは今は絶滅した植物で、それから取れる薬は40数種の疾患に効くとされ、同じ重さの銀と交換されていたそうです。
その重要性を表す様に、キュレネのコインにはシルピオンの姿が刻印されています。
しかしなぜか、シルピオンはキュレネでしか育たなかったと言われていて、その絶滅と共にキュレネは衰退したとされています。
そういえば、ミックスナッツに入っているジャイアントコーンも、南米ペルーでしか育たないそうです。
正確に言えば、他の地域で育てても実が大きくならないのだとか。
その他にもルイボス茶とか羅漢果(ラカンカ)とか、地域限定の植物はいくつかある様ですが、一体何がその性質を発現させているのでしょう?
それはともかく、ハートの起源は身近なものなのか、古代の万能薬に由来するものなのか結局よく解りませんでしたが、ハートは重要なものを表すという事はよくわかりました。
という事で、ハートはやっぱり大事ですね(いろいろな意味で)。
よっし~
2013.09.15 常に有益なコメントを頂いたので、ちょっと調べ直して追記です。
以下WikiPediaより
「シュロ(棕櫚、棕梠、椶櫚)は、ヤシ目ヤシ科ヤシ属 Trachycarpus の総称である。
5種以上が属する。シュロという名は、狭義には、そのうち1種のワシュロの別名とされることもある。
逆に広義には、他のさまざまなヤシ科植物を意味することもある。
シュロは日本の温帯地域で古来より親しまれた唯一のヤシ科植物であったため、明治以降、海外の著作に見られる本来はシュロとは異なるヤシ科植物を、「シュロ」と翻訳していることが、しばしば認められる。特にキリスト教圏で聖書に多く記述されるナツメヤシがシュロと翻訳されることが多かった。今日でも聖書などのキリスト教文献で、ナツメヤシがシュロと翻訳されていることが普通である。
・扇椰子(オウギヤシ):別名パルミラヤシ」
Wikiでは、棕櫚(シュロ)の言葉の定義があいまいな部分がありますが、扇椰子(オウギヤシ)別名パルミラヤシとは、語感的にパルミエにかなり近付きました。
他の文献では、ヤシ科=棕櫚科と書いてあって、結局ヤシなのかシュロなのか一体どっちなんだという所ですが、分類は気長に調べてみます。
更に調べてみると、
『パルミエはイタリア語でやしの葉の意味。形が似ていることからこの名になったと言われています。フランスでは「豚の耳」とか「ゾウの耳」とも言われます。』という情報がありました。
『フランス語お料理教室CuiCui』さんのフェイスブックより。
https://www.facebook.com/cuicuifrancais
(美味しそうなお菓子が多数掲載されていたので、リンクを張ってみました)
ヤシの葉に形が似ているという所には異論がありますが、リンク先の画像は葉がこれから伸び始めるシダ植物の「ぜんまい」の様にも見えます。
シダ植物といえば、その前葉体がまさにハート型なのですが多分関連は無いでしょう。
結局、謎は謎のままなのですが、気長に調べていきます。
よっし~