ひさびさの楽器ネタです。

 

前回はザ•重厚トランペットの代表格、

バックストラドセミアーリーエルクハートでしたが、

今回は真逆の超ウルトラライトウェイト、

キングのゴールデンフレアです。

 

 

ゴールデンフレアといっても

なぜかシルバープレート。

 

キングといえば、

シルバーフレアとかシルバーソニックとか

銀ベル系が有名ですが、

最近までボクもこの楽器の存在を知りませんでした。

 

さらにキングって

彫刻ゴリゴリのイメージも強いんですが、

これはレシーバーに

キングのロゴマークとgolden flairの刻印、

あとはバルブケーシングに

シリアルナンバーが入っているだけというシンプルさ。

 

 

実はこの楽器、

カンドリブラザースが

プロデュースした楽器だそうです。

 

 

日本でカンドリといえば

もう圧倒的に「神取 忍」さんが有名ですが(笑)

 

ジャズの世界では、

70年代〜80年代ウェストコーストの

ピートカンドリとコンテカンドリの

兄弟トランペッターユニットのことなのです。

 

レコードのライナーノーツより録音風景。

 

あー、コレですねたぶん。

 

 

支柱がないように見えますが、

販売品とは細かいディティールが

違うのかもしれません。

 

ちなみに当時のレコードには

録音データまで載ってます。

 

 

こーゆーところも

なんか白人ジャズっぽいですよね〜。

 

この楽器の特徴はとにかく薄くて軽いこと。

 

右のバックにくらべて

左のゴールデンフレアが

いかに薄いかお分かりでしょうか。

 

 

ボクはこれまで

ベッソン、ベンジ、カリキオと、

ライトな楽器もたくさん吹いてきましたが、

こんなに薄いのははじめてです。

 

しかも、トップキャップと

ピストンボタンがまさかのアルミ製!

 

 

最初、なんでこんなに腐食してるんだろうと思いましたが、

たぶん、アルミに蒸着メッキなんだと思います。

 

このままではあんまりなので、

キレイにしてみました。

 

 

主管はリバース、

やや四角めのラインに1本支柱。

述べ座がえらく小さいですね。

 

 

管体の薄さ、掟破りのアルミ製パーツ、

さらにこのへんのデザインを見ても、

これはライトウェイトトランペットの

究極形といえるんじゃないでしょうかね〜。

 

各管の根元にいちいち

補強のリングが入っている

ところにも注目です。

 

 

 

このキングゴールデンフレアという楽器、

時代的なことを考えても、

カリキオに影響を受けているのは

ほぼ間違いないと思います。

 

ただ、カリキオのあのじゃじゃ馬っぽいところがいっさいなく、

もっと優等生っぽく仕上がっているところが

さすがカンドリブラザースとゆー感じがしますね。

 

ボクは最近とんと吹くパワーが衰えちゃってるんで(笑)

こういうライトな楽器ありがたさが

本当に身にしみる今日この頃なのです。