多様性とは?


多様性/ダイバーシティが

肯定的に奨励される問題点を

批判的に検証し、差別構造の

解消に向けた手がかりを

提示している「多様性との対話」



第2章 ダイバーシティ推進と

            LGBT/SOGIのゆくえ

           ―市場化される社会運動


大阪市立大学大学院都市研究科教授

新ヶ江 章友


LGBT:レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、

              トランスジェンダーの4つの

              アイデンティティーを差す。

    SOGI:Sexual Orentaion and Gender Identity 

              (性的指向と性自認)


LGBTマーケティングに取り組む

多くの企業が、社内での企業倫理の

確立と社外でのLGBT/SOGIの人権問題

にも積極的に取り組んでいる。


ただし、注意が必要なのは、

人権問題がマーケティング化される点


→LGBTフレンドリー企業による

    マーケティングを通して

    アライ(ally)=当事者の周辺の人たち

    を増やすことによって、多数決の

    論理でLGBTの人権問題を決する

    という理屈が問題。


ダイバーシティ・マネジメント/

マーケティングと連携して人権問題に

取り組むとき、社会運動の本来の目標

である人権擁護の意識を土台にすること

なく、そして、権利の保障に向けた

制度改革をめざすことなく、むしろ

それらを後退させてはいないかが

危惧せれる。


第3章 移民・多様性・民主主義

これまで多文化共生についての
議論は、その内容すなわち「何」
という水準での批判が多かった。

これに対し、本章では、
「誰にとっての多文化共生か」
「誰による多文化共生か」
という問いに焦点を当てた。

多文化共生が、そこに暮らす人々が
地域社会の構成員として関わる地域
づくりであるならば、それは
「地域住民の、地域住民による、
    地域住民にとっての民主主義」

実践に他ならない。とするならば、
当該地域に暮らすあらゆる人々が
その実践に参加できる機会を保障
することが重要。


第4章 生活保護言説における
「日本人」と「外国人」を架橋する
(人気お笑い芸人の母親が生活保護を
  受けていたことに対するバッシング事件や
  エジプト出身のタレントが「外国人が
  生活保護を利用することは不自然であり
  帰国すべき」とSNSに書き込んだことなどを
   取り上げてます)

日本社会で「人間らしく生きる」
ことが十分に保障されていない人々が
多いという状況が、それを保障する
生活保護制度へのバッシングを
引き起こしていく負のスパイラルが
続いている。

貧困を可視化したうえで、
一人ひとりの「生」が多様で
社会的なものであること、
そして、「人間らしく生きる」ことは
国籍などの諸条件に関わらず、
すべての人の権利(人権)であることを
社会の共通認識としていくこと。

これが、多様な「日本人」、そして
多様な「外国人」が生きる場として
日本社会を作っていくための一つのの
大きな課題である。

第5章は、
生きづらさを抱えている人たちの
当事者研究会(通称『づら研』)の活動、

第6章は、
「#トランス女性は女性です」への
攻撃から見える女性がみな同じ一つの
何かを共有しているわけではない。

「黒人女性は人種に基づく差別と
  性別に基づく差別だけでなく、
『黒人女性』として差別される」

といったインターセクショナリティー

(intersectionality:交差性)の視点から

女性というカテゴリーの同一性を

問い直す。


第7章、第8章は、

大学の授業で子どもたちの

学習支援サポーターや

目の見えない人のための美術館の

音声ガイダンス作成など通して、

様々な人と関わり、自分自身の

偏見に気づき、「共生」を

理解する実践例


が紹介されています。

編者はLGBT/SOGIをめぐる
多様性/ダイバーシティ奨励の動きを
一時的ブームやファッションではなく、
既存の制度や構造を変えて、誰もが
働きやすく生きやすくなる社会に
なることを願ってます。

私は最近、仕事で多くの国の人と
接する機会があり、「多様性」について、

外国人に日本人と同じであることを
平等であることを求めすぎていないか?

と感じるときがあります。

平等を求めることで、
相手に負担を強いることが
いいことなのか?

相手に負担をかけずに
お互いによい状況を作ることが
できないのか?を考えさせられます。

今の自分が対峙している課題にも
関わる本だったので、とても
参考になりました。


 次に読んでいる本下差し


 

毎月1冊、図書館の新着図書を読む

というマイルール。


読みたい本がなく、苦し紛れに

手にとりました。


しかし、 #Pride Month

#Black Lives Matterなど、

「多様性との対話」の内容と

リンクしていて、ビックリひらめき


GW後半、何冊読めるかな?

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