掛けることが出来なかった毛布
それが出来たなら後悔はしなかった
せめて心の中で 妄想だけでも思いを…
母へ
反抗期の頃大っ嫌いだった母
毎日文句を言ったり
無視をした
無茶な遊びで疲れ
帰るなり倒れるように
そのまま寝ちゃう俺
何も聞かず
そっと毛布を掛けてくれた母
ホントは起きていたけど
そのまま寝たフリをした
俺の中に眠る良心が
寝言のフリして「ありがと」と呟いた
子供たちから手の離れた
老いた母は
テレビの前で気持ち良さげに
くたびれた座椅子でうたた寝を
今度はそんな母に
そっと毛布を掛ける