水曜日の今日は昼過ぎから小雨が降り始めて、夜まで続きました。

 

そんな雨の中、僕らはクラシックホールのBOZARでカウンターテナーとバロックアンサンブルのコンサートを聴きに行ってきました。


カウンターテナー歌手は目下のところ最も旬な ヤクブ・ユゼフ・オルリンスキ Jakub Józef Orliński。アンサンブルは イル・ポモ・ドーロ Il Pomo d'Oro です。

 

 

夫Yvesはバロック音楽もオペラソングも好きなのですが、僕はそこまででもなく、演目だけならパスしてたと思いますが、ヤクブ・オルリンスキが来るというので、逃さず早々にチケット予約していました。

 

彼のことは、ポップスターMIKAとのデュオの動画を観て、初めて知って一瞬にして惹かれてしまいました。

 

 

もともとMIKAがフランスの年越し歌番組でショーをしていたのですが(以前ニューズウィーク日本版に連載していた記事にその様子は書いています。視聴率男となったゲイコンビ♪ @ フランスの年越し歌番組)、2021年の年明けを飾ったMIKAのパフォーマンスが印象深く、折に触れてYouTubeで振り返って観ていた時に、こちらのデュオ動画にも遭遇していて、ヤクブの存在を知るに至ったのでした。

 

透明感のある美しい高音ヴォイスがとにかく素晴らしいのですが、その歌声がこのゴージャスなマスクから発せられることで、より多くの人を魅了させてしまうのかと思います。

 

 

よって、今日のコンサートは Sold Out !

 

ホールでは普段のクラシックコンサートとは違ったオーディエンスが大勢詰めかけていましたが、中でも女性同士、男性同士で来ている人々が目立ちました。そして、この男性同士というのは、僕らと同じゲイのお仲間たちです。

 

「ブリュッセル中のゲイが来てるね」とYves。そんなはずはないのですが、それぐらいゲイ率の高いコンサート会場でした。

 

プログラムは先月リリースしたばかりのCD『Beyond』に収録されている曲が網羅されていました。

 

 

僕はだいぶ前から少しずつSpotifyで予習していましたが、馴染みのある曲がほとんどなかったので、繰り返し聴いて耳を慣らしていました。


黒いマント姿で登場のヤクブ。写真撮影は全てアンコール時です

 

 

そのマントを巧みに使い、時にはドレス姿の女性のように纏い、アリアの様々な歌い手の役柄になりきって表情豊かに演じていました。

 

声量が大きくて力強さが感じられ、喜怒哀楽の表情も豊か、時には舞台に寝てみたり、舞台からジャンプして客席を巡回しながら、観客とじっと見つめてアイコンタクトをとったりと、型式張っていなくてエンタメ要素をふんだんに盛り込んでいます。

 

 

全ての演目を歌い終わると、会場からは溢れんばかりの拍手とともに、BRAVOの掛け声があちこちから。そこに女性ファンの黄色い声援も飛び交います。僕らの席のすぐ前にゲイカップル、その右隣には3人組の女性陣だったのですが、この女性たちはヤクブが仰向けに寝そべってヘソ周りが見えた時なんぞはお互い顔を見合わせながら食い入るように注視してました。

 

そのくらい今夜の聴衆は熱狂的でした。

 

 

それに応えるように、アンコールは4曲も。大サービスです。

 

ブレイクダンサーとしての才能もあるヤクブ。

 

 

バック転含めてアクロバティックなダンスも披露してくれました。

 

 

ヤクブ本人もMCの中で言っていたとおり、通常のコンサートを超越した(ニューアルバム『Beyond』と掛けてます)公演になるようにしたいと思っていて、僕らも含めた会場の全員が期待以上のパフォーマンスに驚いたことでしょう。

 

古楽器のアンサンブルの演奏のほうも、とてもレベルが高くて、大満足でした。

 

 

フォワイエではCD販売がされて、かなり売れ行きが良さそうでしたが、他にもTシャツ、エコバッグ、キーホルダーなどのグッズも売っていて、本当にポップスやロックのスターのよう。

 

 

サイン会が催される案内もスクリーン表示されていたので、僕も並ぶことに。Yvesは行列嫌いなので、さっさと家路へ。

 

 

結構な数の人が並んでいましたが、

 

 

今夜のプログラムにサインしてもらいました。

 

 

今宵のこんさーとへの感謝を伝えるとともに、「今後日本にもコンサートの予定がありますか?」と訊いたところ、「少し前にオファーが来ていたけれど、コロナ禍で全てがキャンセルになっちゃって…。日本にはアジアツアーの一環で、もしかしたら来年2024年に行けるかも…」と言ってました。

 

 

せっかくなので、一緒に写真も撮ってもらいました。

こんなイケメンとのツーショットの機会なんてなかなかありませんもんね。さらに握手してもらってその場を後にしましたが、100人前後はいたと思われる人々にそれぞれ気さくに応対していて、ナイスガイぶりが際立っていました。


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