16日（月）の昨夜、ブリュッセル市内でイスラム過激派と見られる男による発砲事件が発生し、スウェーデン人2人が死亡しました。
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犯人は不法滞在のチュニジア人でスクーターで逃走中ですが、顔出しした動画がSNSにもアップされています。
下の記事内では犯行現場に近いアパルトマンから近隣住民が撮影した動画もあり、銃の発泡音とスクーターで逃走する瞬間を捉えています。
事件発生時、郊外にあるスタジアムではサッカーのヨーロッパ選手権EURO2024予選のベルギーvsスウェーデン戦の試合中でしたが、殺害された2人はスウェーデン代表ユニフォームを着ていたとも報じられています。この事件を受けて試合はハーフタイムで中止になりました。
殺害現場はアパルトマンが立ち並ぶブリュッセル運河沿いと見られ、
先々週、僕らがポタリング🚲に出掛けた際に往復とも渡ったサンクトレッテ橋 Ponts Sainctelette からは目と鼻の先。
サッカーの試合があったボードゥアン国王競技場（下の地図の中央上のアトミウム付近）から5km離れた、ブリュッセル中心部の五角形（ペンタゴン）の北西の端っこにあたります。
下のペンタゴン地図で左上（北西）の Quais ケとある地域の角付近で、瀟洒なアパルトマンが立ち並ぶ一方、付近には移民や難民施設などが隣接するエリアでもあります。ちなみに観光地として有名なグランプラスは現場から1.5km（Centre）、我が家は反対側の Liberté リベルテ地域で2.2km の距離です。
友人知人の住むサンカトリーヌエリアはもっと近く700メートル、ちょうど1ヶ月前には僕はそこでクラフトビールフェスに参加していましたが、あと1ヶ月半ほどするとクリスマスマーケットで賑わうことになりますが、また会場入場の際にはセキュリティチェックが設けられるかもしれません。
7日にパレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム武装組織ハマスが突如イスラエルを攻撃、イスラエル側も応戦した戦闘が繰り広げられてから、現地のみならず、イスラム系、ユダヤ系住民双方が多く住むヨーロッパの大都市でも緊張が高まっていました。
13日では、ベルギーからも近いフランス北部アラス Arras で高校教師がイスラム過激思想に感化された卒業生の元生徒にナイフで殺害される事件が発生していて、対テロ警報が最高レベルに引き上げられました。
今回のブリュッセルで起きた殺害事件に関連する事象として、スウェーデンでは今年に入ってイスラム教の聖典コーランを燃やすなどした事件が何度も発生し、それにイスラム教徒やイスラム諸国が反発する事態が起こっていました。
この問題に絡んで、ロシアのウクライナ侵攻を発端として早期に軍事的な集団安全保障体制の枠組みに入りたいスウェーデンがNATOへの加盟申請をしていたのですが、このコーラン焼却とクルド人難民の問題も相まって、トルコが一時反対するなど外交問題にまで発展したことも記憶に新しいです（その後和解し加盟実現）。
イスラエルがハマス撲滅を宣言し、本格的な反撃を開始して、パレスチナの一般市民に多大な被害が生じるような事態に至った場合には、ここヨーロッパでもテロ行為が再発する可能性大です。
遡れば、2015年11月のパリ同時多発テロに続き、
半年後の2016年3月22日ここブリュッセルでも連続テロが起き、記憶もだいぶ薄れてきていた矢先の今回の発砲事件。
ベルギー政府はテロ警戒態勢を最高レベルに引き上げました。それに伴い、翌日の今日17日は市内の学校は全て休校。公務員は通勤せず自宅待避することが要請されました。
中東情勢に絡んで不穏な空気が漂っているブリュッセルです。
【続報】今朝、今回の実行犯とみられる容疑者の身柄が確保されたとのニュースが。その際、警官の銃弾を浴びて病院に搬送された模様。その後死亡が確認。
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