もし僕が西城秀樹だったら。 | 山本新一

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山本新一のブログです。

サンクチュアリ出版より「働くきみをアゲる18の冒険」を出版しています。
JR千葉駅にて、Beach Cafeを営んでいます。

震災続きでもう1つ。

先日昼間の仕事で、ボロボロの家に訪問しました。
話をしているとどうも訛っているしこの辺の事を余り知らない様子。

なので
「ご出身はどちらなんですか?」
と尋ねたら、
「陸前高田市から避難して来たのよ。」
と奥さんが言ってました。

家の中を見渡すと、節約のためであろう街中で貰って来たポケットティッシュが大量にストックされていて、あるものは冷蔵庫とテレビと食器とテーブルくらい。ほとんど者は無く、希望もない。



国から出た補助金は40万円のみ。
家も土地も財産も全て失い、あげくの果てにご主人は身体障害者。

そんな状況を見て聞いて、流石にこれ以上家の出費を増やす事は出来ない。
月々1000円未満とは言え、この家庭には明らかに重くのしかかる。
けれどこの契約をしないとテレビは見れなくなる。

どうにかこの家からはお金がかからないようにならないかと会社に聞いてみたものの、当たり前だけれど、それはムリとの事。

ならばと思い、奥さんにお願いをしてみました。

「あのー、月々のお支払いなんですが、これ僕のクレジット使ってもらって大丈夫です!震災は日本全体の問題なんで、この金額であれば僕何も問題ないですから!」

「いや悪いわよ。会社が持ってくれるんなら甘えるけれど、お兄ちゃんが個人的に負担してくれるなんてのは出来ないわ。」

「いや、奥さんこれは僕の勝手なお願いです。多額の募金をする事も出来ないし、被災地へ行ってボランティアを続ける事も出来ないので、カタチの違ったボランティアだと思います。全然問題ないですからお願いします!それに僕別の仕事として飲食店のオーナー業もやってるんで、けっこうあるんすよ笑」

と、重苦しくならない様に懇願してみました。


現状として自分の生活を変えるようなボランティアは出来ない。
けれど出来る範囲では力になりたい。
多くの人が出来る範囲で力になれば、間違いなく大きなパワーが生まれる。


けれど、最後まで奥さんは首を縦には振ってくれませんでした。


その時の無力感ったらないですよ。

オレ個人には甘えてくれない、けど会社になら甘える事が出来る。

あなたは弱いからムリ、もっと強いんなら甘える。

表現が過度だけれど、言い方を変えれば現実としてそういう事だと思うんです。

つまりは、会社に山本新一個人は完全に負けているって話です。山本新一がもっと世の中でパワーがある存在で、その人も知っているような人間であれば甘えてくれたと思うんです。もし僕が西城秀樹だったら、奥さんはきっと西城秀樹に甘えてたと思うんです。

「ソフトバンクの孫正義です。私があなたの毎月のテレビの受信料を賄いましょう。」と言えば
「ありがとうございます。」と甘えるだろうに、
「prove LiFEの山本新一です。私があなたの毎月のテレビの受信料を賄いましょう。」と言っても
「悪いからいいわ。」
と言われてしまう。

これは凹みますよ。

人には自尊心があり、迷惑を掛けたくないと強く思いますが、『現状』ってもんがあります。
その現状は、モノの価値を変え、金額を変えます。

月々10,000円、僕が払いますよ!
とは言えないから言わないけれど、
月々1000円僕が払いますよ!
とは言えるのに、
それをも相手に遠慮されてしまう自分のひ弱さが腹立たしいです。


だから最近よく思うのです。
もっともっとでかいパワーが欲しいなと。


遠慮されないパワーが欲しいっす。
相手の自尊心は置いといて、綺麗事と偽善者は上等です。


$prove LiFE SiN