2月4日にオペラシティ、コンサートホールで開催されたバッハ・コレギウム・ジャパンの第159回定期演奏会。今回は、バッハ作曲のヨハネ受難曲です。以前にも、バッハ・コレギウム・ジャパンによる演奏を聴いたことはあるのですが、今回は「第2稿」で、あまり演奏される機会がないバージョンです。

 

冒頭は、マタイ受難曲に似ていますが、徐々に聴いたことのあるヨハネ受難曲になっていきます。通常、演奏されるものと同じ部分もあり、違う曲もあり。どこがどう違って...と語れるほど、よくこの曲を知っているわけではないのですが、確かに冒頭の雰囲気はかなり違っていました。第2稿の方が、明るく軽い印象を受けます。イエスが捕らわれる場面から始まりはするのですが...。

 

イエスの受難は、復活と人々の救済に至る過程でもあります。この曲では、その受難の先にあるものに目を向けられているということなのかもしれません。

 

エヴァンゲリストの吉田志門は、声も素晴らしく響いて素敵なのですが、しっかりと言葉が届いてきて印象的です。

 

イエスのクリスティアン・イムラー、ピラト/ペテロの加耒徹は、それぞれに低音の魅力を届けてくれました。これぞ、バスという感じ。

 

アルトの久保法之は、音程により響きが変わるのが気になります。高音はとても美しく響くのですが、低くなると、少し、響きが落ちて、若干、パワー不足になってしまう感じがします。でも、とても綺麗な声なので、これからに期待したいです。

 

合唱はいつもながらの素晴らしさ。あまりにも音の響きが気持ちよすぎて意識が遠のく瞬間もありましたが、とても心地よいひと時を過ごすことができました。

 

終演後、出口のところには、能登半島地震の被害者のための募金箱が置かれていました。コンサート開始前にマエストロ、鈴木雅章から「終演後に、ロビーで募金箱を持って立っています」とのお話があったのですが、出演者が出てくるのを待つ時間がなかったのは残念でしたが、平穏に生活することができてこうしてコンサートを聴く楽しみを持てることに感謝しつつ、今この時に苦しい状況にある人たちに、ほんの少しでも役立つことができたらと願いを込めて、些少ながら寄付しました。

 

日本で生活していれば、大きな地震の被害者になる可能性からは逃れられません。今の生活への感謝を忘れないようにしたいと思います。

 

 

 

出演者は

指揮&オルガン独奏:鈴木雅章
テノール/エヴァンゲリスト:吉田志門

ソプラノ:ハナ・プラシコヴァ
アルト:久保法之
バス/イエス:クリスティアン・イムラー
バス/ピラト/ペテロ:加耒徹

合唱&管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン

 

 

 

バッハ・コレギウム・ジャパン公式サイト

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