ベトナム戦争を分析・記録したアメリカ国防総省の最高機密文書、通称"ペンタゴン・ペーパーズ"の内容を報道したワシントン・ポストの2人のジャーナリストの実話を映画化した社会派ドラマ。

ジョン・F・ケネディ、リンドン・B・ジョンソン両大統領によりベトナム戦争は泥沼化。リチャード・ニクソン大統領政権の頃には、アメリカ国民の間に戦争に対する疑問や反戦の気運が高まっていました。戦況調査で戦場へ赴いた経験がある軍事アナリスト、ダニエル・エルズバーグは、ロバート・マクナマラ国防長官の指示の元、自らも作成に関わった、ベトナム戦争を分析及び報告した国防総省の最高機密文書"ペンタゴン・ペーパーズ"を勤務先のシンクタンク、ランド研究所から持ち出します。そして、文書を複写し、ニューヨーク・タイムズ紙の記者、ニール・シーハンに渡します。ペンタゴン・ペーパーズの存在をスクープしたタイムズ紙は、政府から記事の差し止めを要求されます。それを知ったワシントン・ポスト紙のベンは、上司でワシントン・ポスト紙の社主であるキャサリンの意向に反し、文書の入手を部下に命じ...。

 

正義を貫こうとすると、時に、自身が築いてきたもの、得てきたものの全てを犠牲にせざるを得ない状況に陥ることがあります。そして、一企業の代表者として、企業の存続と発展を目指すのは当然の姿勢だし、そこで働く多くの人々やその家族のことを考えれば、当然の義務とすら言えます。正義を貫くために、何の罪もない従業員たちの生活までを危機に晒しても良いのか...。新聞社としての責任を放棄しても企業としての利益と従業員たちの生活を取るのか、企業の存続や従業員たちを犠牲にしても報道機関としてすべきことを行うのか...。実に重い決断です。

 

そこに関わるキャサリンとベンとの遣り取り。それぞれの想いが切々と伝わってきます。そして、キャサリンの報道機関のトップとしての成長。必要以上に演出で盛り上げることなく、淡々とした描き方ですが、中心となる2人の人物、キャサリンを演じるメリル・ストリープとベンを演じるトム・ハンクスの名演が、物語に重厚さを加えています。

 

やはり、何だかんだと言っても、アメリカは民主主義の国なのだと実感させられます。言論の自由を尊重しようという強い意志、そして、権力を暴走させない仕組みを維持しようとする努力。何かと問題の多い国だとも思いますが、民主主義の第一人者としての矜持には敬意を払わざるを得ません。

 

権力は腐敗するもの。いくら民主主義的な手法により選ばれた政権だとしても、権力を握っているうちに変質し、国民への脅威になることはあり得るもの。そして、私たちは、人類の歴史から、国民を守る義務を負っているはずの権力が暴走し、時に国民の命すら踏みつけていくことを学んでいるはずなのです。権力から国民を、国を守るためには、権力の横暴に歯止めをかける力の存在が必要なのです。

 

いくら正当な選挙により大統領という立場に選ばれた者とはいえやはり人間、大きな権力を手にして変質する可能性は否めないわけで、盲従してはならないのです。その変質に対し、目を光らせ、その危険について広く伝えることこそ、本来のジャーナリストの役割ということになるのでしょう。

 

「新聞は歴史書の最初の草稿」という言葉に重みがあります。今、日本で"ジャーナリスト"と呼ばれている人のどれだけが、そうした報道の使命を自覚しているのか。

 

民主主義の根幹を揺るがす可能性のある大きな仕事をしているという自覚が尊いです。ただ単に、読者の求める情報を面白く楽しく分かりやすく伝えるだけではなく、権力の横暴を抑止することにこそ、マスコミの果たすべき責任があるということへの自負に、眩しさが感じられました。時には、国家の権力と全面的に対決すること、そこにこそ本当の国を愛する強い想いがあると言えるのでしょう。

 

ラスト。本作の時期に大統領だったニクソンのその後を示唆するシーンがあります。その事件を描く続編が作られることになるのでしょうか。

 

権力に立ち向かう存在が軽視されがちな今だからこそ、是非、観ておきたい作品です。

ハイヒール

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人気歌手であるベッキーは、再婚相手の死後、幼い娘、レベーカを残し、単身メキシコに渡ってしまいます。ベッキーは、15年振りに故郷スペインに戻り、既に大人になり、テレビのニュースキャスターとなっていたレベーカは生き別れた母親と久し振りに再会します。けれど、レベーカが結婚した年上の夫はかつてのベッキーの恋人で...。

 

なかなか強烈な母娘関係です。母親との時間を奪われた娘の母への強い愛。その愛の前には、周囲の人々の命さえもどうでもよくなってしまう。

 

母が娘の罪を背負うことで、娘に謝罪し、娘もそれを受け入れて母を赦すという展開には、納得のいかないものもある...というより、そこをスンナリ納得できるような描き方にはなっていない感じがします。母娘の愛情の在り方が、少々、陳腐な感じも否めませんでしたし...。

 

娘を置いて、単身、メキシコに渡る母も強烈ですが、母の意向とは言え、死にゆく母に全てを背負わせて自由を得ようとする娘もなかなかのもの。失った母の愛への激しいまでの要求と、生への強い意志が感じられます。

 

或る時は判事、或る時は情報屋、そして、或る時はドラァグクイーンな3役とか、コミカルな要素がありながらも、結構、シリアスに傾いた雰囲気でした。物語の感じからは、もう少し、コミカルな方向に振れた方がバランスが良かった気もします。コミカルさとシリアスさのバランスは今一つだったような...。

 

そして、拘置所の自由さに驚かされます。スペインの拘置所って本当にあんな感じなのか、映画の中でのファンタジーなのか...。まぁ、本来、拘置所に入れられている人たちは、まだ犯罪者と決められてはいないワケで、本来、居る場所とか犯罪の隠蔽に関する行為以外は自由が認められていいはずの人たちではあるのですが...。

 

拘置されている人たちの色とりどりの衣装を含め、豊かな色彩が印象的な作品です。坂本龍一による音楽も良かったです。

 

初期のペドロ・アルモドバル監督作品です。その後の作品に繋がる要素がたっぷり含まれていることもあり、アルモドバル監督のファンであれば見逃せない作品だと思います。

西国三十三箇所第12番札所、

JRまたは京阪電鉄の石山駅からバスに乗り、最寄りのバス停(中千町)から徒歩50分。ちょっと覚悟の必要な歩行距離ですが、毎月17日のご縁日には、1日7往復だけですが、シャトルバスが運行されています。アクセスしやすいのは、当然、毎月17日ということになるのですが、結構、込み合うようです。混むのを覚悟するか、山登りを覚悟するか...、なかなか悩ましいところです。本来、歩くことが"修行"なのでしょうけれど...。


ご本尊の千手観音は、毎夜厨子を抜け出て衆生救済のために地獄を巡り、夜明け前に汗をかいて帰ってきていたということで"汗かき観音"とも呼ばれています。また、雷除観音、厄除観音としても知られています。ただ、現在、厨子に納められているのは、本来のご本尊ではないようです。本来のご本尊は焼失し、その胎内仏だった15cm位の仏様が安置されているとのこと。秘仏とされていて、江戸時代の作と言われる180cmのお前立を拝むことになります。なかなか立派な木造立像です。

 

特にこの頃、御利益に与かりたくなっているぼけ封じ観音がいらっしゃるのは嬉しかったりします。


正法寺

岩間山(いわまざん) 正法寺(しょうほうじ)
宗旨:真言宗醍醐派
本尊:千手観世音菩薩
所在地:滋賀県大津市石山内畑町82
アクセス:石山駅(JR、京阪) 京阪バス「中千町」徒歩50分 毎月17日はシャトルバスあり

公式サイト

http://www.iwama-dera.or.jp/

泥棒貴族

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以前、本作を色々と設定を変えてリメイクした「モネ・ゲーム」を観て、その感想を書いていますが、そのオリジナルです。

 

詐欺師のハリーは、中東の富豪が所有する古代中国の胸像を盗み出す計画をたてます。彼はその第一歩として、ナイトクラブの踊り子を味方に引き入れることにします。富豪の亡き妻に瓜二つの彼女をつかって富豪に接近しようとするのですが...。

 

あまりにトントン拍子に犯罪が実行されていき、頭の中が疑問符で埋め尽くされる頃に、それが、ハリーのハリーのあまりに都合の良い脳内でのリハーサルであることが明らかにされます。この辺りの展開が見事で惹き込まれました。

 

そして、彼が夢想する"完全犯罪の顛末"が描かれた後に、"犯罪の実際"が描かれます。ハリーの都合の良すぎる計画にはなかった出来事が色々と起こり、彼の"完全犯罪"が危うくなっていきます。そして、その"思いがけない出来事"が、"そんなことも予想していないとは何ておま抜けな!!"レベルのことで、ハリーの犯罪者としての才能を疑いたくなったりします。

 

その後にくるクライマックスが、なかなか気が利いていました。ハリーの本当の目的が何だったのかという点について、実はずっとミスリードされていたことに気付かされます。冒頭の"脳内リハーサル"も、その"ミスリード"を支えています。

 

ハリーが盗まなかったもの、そして、予期せず盗んでしまったものがラストで示されます。まぁ、この思いがけず盗んだものについては、美男美女が登場するこのテのオシャレ系泥棒物語ではありがちかもしれませんが...。

 

後味のよいコメディタッチの気軽に楽しめる犯罪映画です。観ておいて損はないと思います。

西国三十三箇所第11番札所。

 

醍醐寺自体には、鉄道の駅からのアクセスも良いのですが、上醍醐へ行くには、1時間程、山道を登ることになります。かなり勾配が急なところもあったりするので、それなりの脚力と覚悟は必要です。ただ、元々は、上醍醐にあった札所は、残念な理由から、現在、アクセスのしやすい下醍醐に移されています。

 

札所とされていた上醍醐にあった准胝堂。貞観18年(876年)の創建以来、何度か焼失し、その度に再建されていたのですが、平成20年8月24日未明の落雷による火災で、昭和43年(1968年)に再建されたお堂が焼失したため、下醍醐、大伝法院の大講堂を"下伽藍観音堂"の名称に改め、西国三十三カ所の札所とし、札所本尊の准胝観世音菩薩像を安置しています。毎年5月15日から21日の間、准胝観音総供養として秘仏がご開扉されています。そして、開白の15日は准胝観音曼荼羅供法要、18日に中日法要、21日に結願法要が厳修されています。

 

焼失した准胝堂があった場所は、"准胝堂跡地"とされていて、今のところ、再建の動きは見えてきません。

 

私がお詣りした時に拝見したお堂をもう見ることができないというのは残念ですが、結構な登山をしないと上醍醐には行けないことを思うと、観音様が下醍醐に降りてきてくださったことは嬉しいことでもあります。

 

上醍醐寺

 

深雪山(みゆきさん) 上醍醐(かみだいご) 准胝堂(じゅんていどう)
宗旨:本山修験宗(別格大本山)
本尊:准胝観世音菩薩
所在地:京都府京都市伏見区醍醐東大路町22
アクセス:醍醐駅(京都市営地下鉄) 徒歩20分

公式サイト

https://www.daigoji.or.jp/index.html

小網神社の御朱印帳

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こじんまりとした敷地ですが、鳥居をくぐると昇り龍、降り龍を始めとした豪華な彫刻に彩られた社殿があり、社殿に向かって右側には神楽殿もあります。

 

そして、鳥居と拝殿の間には、日本橋七福神巡りの福禄寿。こちらは、七福神巡りには入っていませんが、弁財天像も鎮座し、銭洗い用のカゴも用意されています。

 

御朱印帳は、社殿に彫刻されている昇り龍、降り龍をデザインしたものと社殿のデザインのものと2タイプ。龍の御朱印帳は、紺、赤、黒、金茶の4種類あります。

 

 



 

縦16cm×横11cm
蛇腹式
表面22ページ

 

透明のカバーが200円で別売されていて、御朱印帳と同じ柄の御朱印帳袋が御朱印帳と同じ4色(3000円)もあります。

社殿をデザインした御朱印帳は、エンジ、紺の2種類です。

御祭神:倉稲魂神(うがのみたまのかみ)

      市杵島比売神(いちきしまひめのかみ)

      福禄寿(日本橋七福神の一柱)

      弁財天
御利益:強運厄除、病気平癒、合格祈願等
所在地:東京都中央区日本橋小網町16-23
近隣の駅:人形町駅(東京メトロ、都営地下鉄)徒歩7分
        水天宮駅(東京メトロ)徒歩10分
 

公式サイト

http://www.koamijinja.or.jp/index.html

ウィスキーと2人の花嫁

テーマ:

 

 

ナチスによるロンドン空爆が激しさを増す第二次世界大戦中のスコットランド。島民たちがこよなく愛するウイスキーの配給が止まってしまい、島民たちは完全に無気力になってしまっていました。島の郵便局長ジョセフの2人の娘はそれぞれの恋人との結婚を望んでいましたが、周囲から「ウイスキー無しじゃ結婚式はムリ! 」と猛反対されていました。そんな時、ニューヨーク行きの貨物船が島の近くで座礁。沈没寸前の船内には、なんと5万ケースもの大量のウイスキーが積まれていて、島民たちは「これは神様からの贈り物に違いない」と沸き立ちますが...。

 

実話がもとになっているとのこと。

 

戦争中とはいえ、身近で実戦が行われているわけではなく、ウイスキーの配給停止など、日常生活への影響は感じられても、戦争自体は、ちょっと遠い世界でのことのような、どこかのんびりとした空気が流れています。

 

”泥棒”をしに行く途中だというのに、"安息日"を守るために引き返すといった、信心深いのだか、ワルイのだか分からないようなところも、善悪で単純には割り切れないニンゲンの心の複雑さが窺い知れるようで面白かったです。

 

信心深くて、素朴で、ちょっと意地悪で、ちょっと欲張りで...。単に"田舎の純朴な人々"でない島民たちの姿には、等身大のリアルな人間の魅力が感じられます。まぁ、ある種の"盗み"ではあるけれど、放置しておけば海の底に沈むだけ。生産者たちが丹精込めて作ったウイスキーを、誰にも飲まれることなく海の藻屑となることから救ったということになるのかもしれませんが...。

 

ワゲット大尉が、敵役になっていますが、ステキな奥さんに支えられていて、彼には彼の魅力があるのだろうと思わせてくれます。そんなに悪いヤツではなく、本作での描き方はちょっと可哀想な感じもしましたが...。

 

1941年にSSポリティシャン号という船の事故が本作の物語のモデルとなっているそうですが、史実では30人ほど、逮捕者が出ているとのこと。本作は、ハッピーな路線にまとめたということになるのでしょう。

 

深刻にならないコミカルな物語として描いた辺り、ウイスキーの物語としては相応しい形なのかもしれません。思いっきり飲んで踊ってハッピーな気持ちになりたいものです。

明星山 三室戸寺の御朱印

テーマ:

西国三十三箇所第10番札所。

 

京阪電鉄の駅から徒歩15分の場所にあり、比較的、公共の交通機関でのアクセスが良い札所の一つです。

 

"あじさい寺"とも称され、特に約50品種の紫陽花が咲き乱れる時期には参拝客が多く訪れるお寺ですが、紫陽花以外にも桜、蓮、ツツジ、シャクナゲ、紅葉なども綺麗です。

 

ご本尊の千手観音は厳重な秘仏で、写真も公表されていません。本尊厨子の前に立つ「お前立ち」像は飛鳥様式の二臂の観音像。大きめの宝冠を戴き、両手は胸前で組んでいます。

 

2008年が西国巡礼の中興者とされる花山法皇の一千年忌であり、2008年から2010年にかけて、西国三十三箇所の全札所寺院で札所本尊の「結縁開帳」が行われましt。その際、2009年10月1日 から11月30日に開扉されていますが、これはその前の開扉(1925年)以来84年振りの開扉だったそうです。

 

三室戸寺

 

明星山(みじょうざん) 三室戸寺(みむろとじ)
宗旨:本山修験宗(別格大本山)
本尊:千手観世音菩薩
所在地:京都府宇治市莵道滋賀谷21
アクセス:三室戸駅(京阪) 徒歩15分

 

公式サイト

https://www.mimurotoji.com/

TIGRATO Fruits Cafe & Bar

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四ツ谷駅近くの、大きな通りからちょっと入った高級住宅街の一角に、何だかやけにオシャレでシックな感じのお店が出来ていて、気になっていました。開店からまだ半年とちょっと。少々、敷居の高さも感じていて、時々、入ろうかどうしようか迷いながら前を通り過ぎていましたが、先日、思い切って扉を開けてみました。

 

入口近くには、ジェラートのケース。覗いていたら、お店の方が、色々と説明してくださいました。ゴルゴンゾーラのジェラートが気になり、味について質問すると、試食を勧めてくれたり...。丁寧な対応で、じっくり選ぶことができました。

 

ジェラートとジュース類、カクテル。季節のフルーツを味わえるメニューが揃えられています。

 

ジェラートは1~5種で盛り合わせができます。フルーツそのものを味わえるジェラートで、濃厚な果実の味がしました。お酒の入った大人のジェラートも美味しいです。

 

カクテルは、ノンアルコールのものも揃えられていて、アルコールが苦手でも大丈夫。鰹節のカクテルとか、なかなか個性的なメニューもあり、様々なメニューを試してみたいです。

 

木調のインテリアで統一された店内は落ち着いた雰囲気で、ゆったりと時間を過ごすことができました。

 

 

公式サイト

http://www.tigrato.cafe/