バッハ・コレギウム・ジャパンのオペラシリーズ。3回目の今回は、ヘンデルのオペラ「ジュリオ・チェーザレ」がセミ・ステージ形式で上演されました。

 

 

出演者は

指揮・チェンバロ:鈴木優人
チェーザレ:ティム・ミード(カウンターテナー)
クレオパトラ:森 麻季(ソプラノ)
コーネリア:マリアンネ・ベアーテ・キーラント(アルト)
クーリオ:加藤宏隆(バス・バリトン)
セスト:松井亜希(ソプラノ)
トロメーオ:アレクサンダー・チャンス(カウンターテナー)
アキッラ:大西宇宙(バリトン)
ニレーノ:藤木大地(カウンターテナー)
演出:佐藤美晴
管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン

 

 

昨年、今回の会場となったオペラシティ・コンサートホールのお隣、新国立劇場で行われたオペラ公演の記憶が新しい中で、行ってきました。

 

「セミ・ステージ形式」の上演ではあったのですが、もう少し、舞台としての工夫があっても良かったかと...。このBCJオペラシリーズVol.2の「リナルド」に比べても、少々、寂しい感じがしてしまいました。まぁ、その分、歌をしっかりと聴けたと言えるかもしれませんが...。

 

タイトル・ロールのティム・ミードは存在感たっぷり。

 

コーネリアのマリアンネ・ベアーテ・キーラントは、昨年の新国立劇場の時にはチェーザレ役だったのですが、コーネリアの方が合っているかと...。ローマ帝国の将軍という役柄には、それなりの体格がある男性の方がぴったりくる感じがしました。

 

ニレーノの藤木大地さんは、コミカルな雰囲気が楽しかったのですが、思い起こせばリナルドの時もお笑い担当でした。BCJでは三枚目役に固定なのでしょうか。ただ、今回は、ちょっと笑いに傾き過ぎたような気もします。2部の前の小芝居とか、楽しくはあったのですが...。

 

セレス役の松井亜紀さんは、流石の歌唱ではあったのですが、役柄が合っていたかというと、少々、疑問も...。

 

森麻季さんも流石の存在感だったのですが、昨年の新国立劇場の森谷真理さんと比べるとパワー不足。とは言え、何だかんだとチェーザレに頼って自分の未来を何とかしようとしているクレオパトラとしては、森谷真理さんはパワフルであり過ぎたのかもしれません。実際、完全にチェーザレ役より存在感があって、クレオパトラが主役になってしまっていましたし...。

 

クーリオ役の加藤宏隆さんは、迫力の低音でしたし、アキッラ役の大西宇宙も力強くて安定して響く声が素晴らしかったです。8人の内、ソプラノ2人、アルト1人、カウンターテナー3人と、計6人が女声の音域だった中、2人の見事な低音が舞台を支えていました。

 

それでも、火曜日という週前半の日の16時スタートでの4時間半を超える長丁場(カーテンコールが終わり、会場を出たのは20時40分頃)を楽しませてもらえました。

 

 

 

 

 

バッハ・コレギウム・ジャパン公式サイト内

Bach Collegium Japan ジュリオ・チェーザレ(東京)

 

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