伊坂幸太郎の同名連作短編小説を映画化した作品。原作は未読です。
マーケティングリサーチ会社で働く佐藤は、劇的な出会いを待っていました。ある日、仙台駅前で街頭アンケートを取っていましたが、多くの人に声をかけても誰も立ち止まってくれません。そんな中、本間紗季が快く応じてくれました。佐藤は、親友の「出会いなんてどうだっていい、後で自分の幸運に感謝できるのが一番だ」という言葉を思い出し...。
佐藤の大学時代からの友人、織田一真とやはり同級生だった妻の由美。
妻と子に出ていかれて途方に暮れる佐藤の職場の上司、藤間。
由美の友人で美容師で、佐藤と同様に出会いのない日々を送っていた美奈子。
美奈子の勤める美容室の常連客、香澄。
佐藤と紗季
一真と由美
藤間とその妻子
香澄と美奈子が香澄に紹介した美奈子の弟
一真と由美の娘、美緒と同級生の和人
和人の両親の邦彦とマリ子
それぞれの出会いとその後の絆が相互に絡まり合いながら描かれていきます。
何気ない日々、思いがけない出会いや偶然が、それぞれの想いを揺さぶり、日々の生活を変えていく。私たちの普通の日常にある光景の中に、ちょっとした偶然が重ねられ、ほんのりと温かい奇跡が生まれていく。そこに感じられる仄かな幸福感。その辺りは、伊坂幸太郎作品の魅力が出ていると思います。
ただ、スポットが当たる人物が多いこともあるのか、ひとつひとつのエピソードの絡みは弱い感じがしましたし、10年後という設定も微妙なところ。全体に薄く弱めな印象を受けました。
もっと大胆にメリハリをつけて、しっかりとスポットを当てる部分を絞っても良かったのかもしれません。
佐藤を演じた三浦春馬さんの新しい作品を今後見られないというのは何とも残念。そして、本作で、彼の存在が生かし切れていないのも残念。
原作は読んでみたいと思います。
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