鎌倉駅から徒歩圏内。妙本寺の近くにあるこじんまりとしたお寺です。

 

寺伝では、鎌倉時代に源頼朝が山上に由比ガ浜を遠望するための桟敷を作ったことに始まるとさせています。

 

ここの地は、将軍宗尊親王の近臣であった印東次郎左衛門尉祐信により守護されていました。その妻で"桟敷の尼"と呼ばれていた日蓮宗の尼僧が、1271年(文永8年)の龍ノ口法難の際、処刑のため刑場(現在の龍口寺)に引かれて行く日蓮に胡麻ぼたもちを捧げたという伝承があります。その後、日蓮は刑を免れたことから「御首継ぎに胡麻の餅」として有名になりました。このことから"ぼたもち寺"との名称でも親しまれています。今も、桟敷の尼がぼたもちを捧げた際に使用した木鉢がお寺に保管されています。

 

法難のあった9月12日には、毎年、"ぼたもち供養"(瀧口法難会)が行われ、参詣人にもぼたもちが振舞われています。

こうしたいわれがある場所に、1606年(慶長11年)、紀州徳川家家老水野重良の娘で日蓮宗に帰依した日祐尼が開基し、池上本門寺14世日詔が開山しました。寺号は、"桟敷の尼"の法号"妙常日栄"に因んでつけたとされています。

 

 

2017年(平成29年)5月18日拝受


慧雲山(けいうんさん) 常栄寺(じょうえいじ)
宗旨:日蓮宗

本尊:三宝祖師
所在地:神奈川県鎌倉市大町1-12-11

アクセス:鎌倉駅(JR、江ノ島電鉄)徒歩8分