青梅線の駅からバスに乗り、最寄りのバス停から徒歩10分。都心からのアクセスが良いとは言えませんが、それでも、路線バスがそれなりにあるので、そんなに大変な思いをせずにお参りすることができます。

 

本当なら、今の時期、境内に植えられた2万本ちかいつつじが満開でとても奇麗なのですが、今年はコロナウイルス感染拡大防止対策の関係で、例年行われる"つつじまつり"も中止。来年は美しく咲き誇るつつじを存分に楽しめることを願うばかりです。

 

大化年間(645年~650年)に若狭国(現在の福井県)の尼僧、八百比丘尼(やおびくに)が全国行脚の際、一寸八分の紫金の観世音菩薩像を安置したのことが始まりとされています。

 

"塩船"の名称は、天平年間(729年~749年)に行基がこの地を訪れた際、周囲が小丘に囲まれて船の形に似ていることから、仏が衆生を救おうとする大きな願いの船である"弘誓の船"になぞらえて名付けたものとされています。

 

貞観年間(859年~877年)には安然和尚が十二の坊舎を建て興隆を極めたと伝えられております。また、鎌倉時代には、武蔵七党の流れを汲む金子氏の庇護を受け、室町時代には青梅・奥多摩方面に勢力を持っていた三田氏の帰依を受けて栄えます。

 

開基とされる八百比丘尼は、17歳の時に人魚の肉を誤って口にしたため、800歳まで生きた(不老不死となった)とされています。入定した小浜市の空印寺をはじめ、北陸・能登地方を中心に多くの伝説が残されています。白い椿(白玉椿)を霊木として特に好んでいたため、白玉椿姫(しろたまつばきひめ)とも呼ばれています。

 

御本尊は十一面千手千眼観世音菩薩の木彫立像で像身四尺六寸(約1.4m)。鎌倉時代の1264年(文永元年)の作で、宋朝様式の影響を受けています。

 

室町時代後期に建てられた本堂、阿弥陀堂、仁王門は、本堂内の厨子とともに国の重要文化財に、本尊の十一面千手千眼観世音菩薩像、眷属の二十八部衆像などは、東京都の有形文化財に指定されています。

 

つつじ・あじさい・山ゆり・はぎなど、四季の花が見事なお寺としても有名です。関東八十八ヵ所霊場の七十二番、東国花の寺百ヵ寺の東京十二番の札所ともなっています。

 

御本尊御朱印

 

白玉椿姫御朱印

2016年(平成28年)6月25日拝受



大悲山 塩船観音寺(しおぶねかんのんじ)
宗旨:真言宗醍醐派(別格本山)

本尊:十一面千手千眼観世音菩薩
所在地:東京都青梅市塩船194番地

アクセス:河辺駅(JR)「小作駅東口行」西東京バス、「小作駅北口行」都営バス、「塩船観音寺入口」バス停下車徒歩10分

寺務所受付時間:8:00~17:00

 

公式サイト

www.shiofunekannonji.or.jp/