坂東三十三箇所。第10番の正法寺。

 

坂東札所の中では、公共の交通機関でアクセスしやすいお寺の一つと言っていいでしょう。東武線高坂駅から鳩山ニュータウン行きの川越観光自動車バスに乗って約7分、「大東文化大学」バス停下車。バスの進行方向前方を見ると「岩殿観音」の標識が見えます。道を渡ってトンネルを潜るとすぐそこにお寺が見えてきます。バスを降りてから1、2分。バスの本数もそれなりにありました。

 

観音堂が坂東札所で、そのご本尊が千手観世音菩薩です。

 

趣のある建物でした。元々は、養老年間の創建と伝えられていますが、寛永、天明、明治と3回再建され、現在のものは1871年(明治11年)の建立。彫刻も施され、屋根の下辺りは、色も残っていて、建てられた当時の雰囲気を遺しています。千社札もたくさん貼られていました。

 

厨子は開扉されていました。お堂の外から拝む形になりますので、距離がありますし、内部は暗かったりもするので、はっきりとお姿を見ることはできませんでしたが、御本尊を直接拝むことができました。

 

観音堂の向かって右側は崖で、岩の壁になっています。そこに、四国八十八カ所、坂東三十三カ所、秩父三十四カ所、西国三十三カ所の石仏、合計で188体の石仏が置かれています。

 

そして、観音堂の向かって左側手前には東松山市の天然記念物にも指定されている大きな銀杏の木。絡み合う根に迫力があります。

 

そして、観音堂の近くには鐘楼もあります。1702年(元禄15年)に建立されたとされる草葺き屋根の建物で、東松山市内では最古の建造物として東松山市有形文化財に指定されています。また、鐘(梵鐘)は1322年(元亨2年)に鋳造されています。外面に無数の傷が付いており、これは1590年(天正18年)に豊臣秀吉による関東征伐の際に、山中を引き回した時の傷だと伝えられています。
 

御朱印をいただくため、本堂の方に向かいました。バス停からだと観音堂の近くからお寺に入ることになるのですが、本堂に向かうため、90段以上ある石段を下ります。階段の下には仁王門があります。こちらも、観音堂同様、年月の重みが感じられるのですが、仁王像は、ガラス(アクリル)に囲まれた形になっていました。迫力の仁王像がしっかりと見えるのですが、門の佇まいとはちょっと違和感があるような...。

 

本堂に奉られるお寺の御本尊、阿弥陀如来を拝み、納経所で御朱印をいただきました。

 

割とこじんまりとした感じではありましたが厳かな雰囲気のある趣のあるお寺でした。御朱印の対応もとても温かな感じで有り難かったです。

 


2018年(平成30年)11月17日拝受

巌殿山(いわどのさん) 正法寺(しょうぼうじ)
宗旨:真言宗智山派
本尊:千手観世音菩薩
所在地:埼玉県東松山市岩殿1229

公式サイト

http://iwadonosan-shoboji.org/