西国三十三箇所第31番札所。

何といっても、このお寺の醍醐味は808段の石段でしょう。その段数もかなりなものですが、割と急こう配なので、結構、キツイです。自動車で山上駐車場に行けば、600段以上をサボれるそうですが、やはり、しっかりとお参りするためには、足腰に問題のない限り、808段を踏破したいもの。

そして、勿論、登り切れば、琵琶湖を望む絶景を拝めます。

 

聖徳太子が開基である古い寺院で、中世には比叡山(延暦寺)西塔の別院としての地位を保ち、近江守護佐々木氏の崇敬と庇護を受けて栄えていました。けれど、1516年(永正13年)、佐々木氏と伊庭氏の対立による兵火により伽藍は全焼。現存する堂宇は室町時代から近世初期にかけて再建されたものです。

 

本堂内陣の厨子には中央に千手観音像、右に十一面観音像、そして左に聖観音像が一緒に奉られ、三尊一体のご本尊として有名です。御本尊は秘仏ですが、西国三十三所観音巡礼の中興者とされる花山法皇の一千年忌を記念して2008年から2010年にかけて、西国三十三所の各札所寺院で「結縁開帳」が行われることとなり、2009年10月1日から10月31日の間、開扉されています。これは1948年以来、61年ぶりの開扉だったそうです。 

 

本堂左には300年生きたとも言われ、長命寺を開闢したとされる武内宿禰(たけのうちのすくね)を祀ったお社(護法権現神社)があり、神仏一体の聖地としても知られています。

 

1988年(昭和63年)12月4日拝受


姨綺耶山(いきやさん) 長命寺(ちょうめいじ)
宗旨:単立
本尊:千手十一面聖観世音菩薩
所在地:滋賀県近江八幡市長命寺町157番地
アクセス:近江八幡駅(JR)「長命寺」(近江バス)