山内マリコの小説を映画化した作品。原作は未読です。

 

安曇春子は、27歳、独身の会社員で地方都市にある実家で、両親、高齢の祖母、猫のみーちゃんと共に暮らしています。祖母の介護でイライラする母親との生活は息苦しく...。一方、成人式で中学時代の友人、ユキオと再会した20歳の愛菜は、流れでつい身体の関係を持ち...。

 

そろそろ若さを失いつつある者たちの鬱屈した思いを描きながら、社会の病理を炙り出そうとしたのでしょうか。

 

ただ、春子にしても、愛菜にしても、そこに行かざるを得なかったギリギリ感が乏しく、それぞれの言動に納得できるものが感じられませんでした。

 

まぁ、原作のある作品なので、原作の問題なのであれば仕方ないところかもしれませんが、本作の構成というか見せ方にも難があるような気がします。

 

時間軸のずらし方も凝っているようで、ただ、分かり難く支離滅裂にしているだけのような感じですし、オシャレを狙って外してしまったというか、変にカッコつけようとして失敗した感じが否めませんし、観ていて落ち着きません。

 

本当に行方不明になってしまったのは、安曇春子ではなく本作のストーリーだったのかもしれません。

 

春子を演じた蒼井優は流石に力を感じさせてくれますし、愛菜を演じた高畑充希も蒼井優に引けを取らない存在感を出していただけに勿体なかったです。残念でした。