BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント [DVD]/レベッカ・ホール
¥3,456
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「チャーリーとチョコレート工場」の作者でもあるロアルド・ダールの児童文学「オ・ヤサシ巨人BFG」を映画化した作品。原作は未読です。
 
ロンドンの養護施設で暮らす10歳のソフィーは、ある眠れない夜、巨人がやってくるのを目撃してしまい、巨人に連れ去られてしまいます。ソフィーは、優しい巨人とすぐに打ち解けますが、そこには、子どもたちを餌にする巨人が8人もいて、ソフィーの気配を嗅ぎつけられ...。

夢の木のシーンが、とってもファンタジックで素敵でした。悪い巨人たちの罰し方も平和的で交換を持てました。1人を除けば、自分の所業を後悔したわけで、こんな風に彼らの気持ちをコントロールできるのであれば、隔離せずに平和に共存することもできたような気もしますが、そこは、原作の問題でしょうし、仕方ないところなのでしょう。

とってもファンタジーな世界でも、女王が隣国に領空通過の許可をとるところなど、やけにリアルだったりします。まぁ、巨人たちの居所を知る前にというのは不思議ですが...。
 
女王がBFGを迎え入れることにしてからのバッキンガム宮殿側の対応も、いかにも、何があってもあわてず騒がず格式ばる紳士の国的な風味がたっぷりと感じられて面白かったです。
 
ただ、物語の大枠は、今一つ盛り上がりに欠けます。ソフィーたちの危機にも、あまり切迫感がなく、ハラハラドキドキも薄かったのは残念。
 
一度、養護施設に戻ったソフィーが、BFGを呼び、テラスから飛び降りるシーンなど、BFGへの友情と信頼が伝わってくるシーンで良かったのですが、普通に1階に降りて外に出てもよかったのではないかと思ってしまうのは、私が汚れた心の大人だからかもしれません。
 
基本的には夢見ることの大切さを伝える心温まる物語で、悪くはないのですが、ファンタジーとリアルのバランスの悪さや、テンポの悪さなど、気になる部分も少なくありませんでした。旧作扱いになってからのレンタルで十分かと...。