続・黄金の七人/レインボー作戦 HDニューマスター版 [DVD]/ロッサナ・ポデスタ,フィリップ・ルロワ,ガストーネ・モスキン
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黄金の七人 」の続編。


ローマ銀行の大金庫からの金塊強奪に成功した一味をFBIやペンタゴンが存在するアメリカを思わせる某国の高官たちが待ち構えていました。彼らは、"黄金の七人"に、カストロ将軍を思わせる南米のとある軍事国家の独裁者を誘拐させようとしていました。"教授"は、700万ドルなどを条件に依頼を受けますが、彼の本当の狙いは7000トンの金塊で...。


前作から、いろいろな面でグッとスケールが大きくなったのですが...、ちょっと、大きくなり過ぎたか...。まぁ、でも、この無駄にスケールの大きい馬鹿馬鹿しさこそが、本作の味わいなのでしょう。


7000トンって...。人類の歴史始まって以来、世界中で産出された金が、合計で14万6千トンと推測されていますから、その20分の1に当るわけですが...。まぁ、そんなこと気にしていたら、始まりません。


いくら、全欧州からの選りすぐりメンバーだとしても、たった7+1人の泥棒軍団に、そう簡単に騙されるとは...。ナンテことも考えちゃいけません。


余計なことは考えず、この馬鹿馬鹿しさとジョルジアの小悪魔的な魅力を堪能するための作品というべきでしょう。


某超大国も小国ながらそこに対抗しようと踏ん張る某社会主義国家の独裁者も、それぞれの権力に寄り添う者たちも、振り回される者たちも、平等に笑い飛ばし、そして、両者を手玉にとって荒稼ぎを企む主人公たちに対しても皮肉な視線を送っています。その辺りのバランスが取れていて、風刺や皮肉が嫌味な感じにならず、楽しめます。


欧州各国から選りすぐりの精鋭を集めているはずが、意外に間が抜けていたり、それぞれ、どことなくトボケた感じなのに、結構、"仕事"はしっかりこなしていたり...。その辺りも、"定番"ながら、味が出ていたと思います。


前作とは違い、銃弾が飛び交う銃撃戦がありますが、それでも、"死者は出さない"のがお約束。この辺りも、本作独特のホノボノ感に繋がっているのでしょう。国家間の争いに関わっても、盗み出すものが7000トンの金塊でも、大きな力を持つ相手との戦いになっても、どこか、まったりとした雰囲気を纏っていて、安心感があります。


「続編」ですし、前作を観ておいたほうが、よりスムーズに作品の世界に入れますが、観ていなくても十分に楽しめると思います。観ておいて損はないと思います。



続・黄金の七人/レインボー作戦@ぴあ映画生活