2年に一度の雨乞い踊り「綾子踊」を、観に行って来た。 | あいの「Iターン」日記

2年に一度の雨乞い踊り「綾子踊」を、観に行って来た。

渇水の地・香川県で、貴重な“雨乞い踊り”が行われると聞きつけ、

今朝は早起きして家を出ました。



まんのう町は佐文(さぶみ)の賀茂神社で実施される、

「綾子踊(あやこおどり)」です。




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本日日曜、朝10時から昼12時までの、舞であります。


「綾」という女性の踊った雨乞い踊りにちなんだ、

雨の少ない讃岐ならではの、古くから伝わる神事です。




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南には竜王山というお山を控え、周囲は田んぼという

素晴らしくのびやかな地に、加茂神社はありました。



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何とこの「綾子踊」は、国指定の“重要無形民俗文化財”です。


しかも、開催は日照りの続く8月、“2年に一度”公開されるという

レア度の高い伝統文化。


これはもう、立ち会わないわけにはいきません!(笑)




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「佐文村雨乞・・・」


カンカン照りで暑さで焼きつくような空の下、踊りは始まります。



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まずは、この「綾子踊」の由来が読み上げられます。

(綾子踊について >>> まんのう町HP



おやしろの前に裃(かみしも)を着た6~7人が座っています。

何かの審判員か偉いさんの格好だけなのかと思いきや…。


後ほど、「綾子踊」の口上(地唄というらしく…いわゆるBGMです)が、

まさかこの人たちのナマ唄で行なわれようとは…(笑)。




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由来の説明が終わると、いよいよ本編です。


“薙刀持(なぎなたもち)”と“棒持(ぼうもち)”と呼ばれる

役割の男性二人が(若いお兄ちゃんたちです)、

何やら口上を述べながら、決めのポーズをとります。




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「ブオー」


ほら貝の音とともに、踊りが始まります。


“小踊六人、大踊六人、みな振袖姿の男子女装”という

ことで、確かにその様子ではありましたが・・・


え? “小踊”の小さい子たちも皆、男の子???




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前半6節、休憩を挟んで、後半6節の口上。


ナマ唄、そして、カネやツヅミがチントンシャン。

何とも言えない不思議な音色に合わせて、

雨を呼ぶ踊りが繰り広げられます。


鳴り物担当の人たちが宮司(神社)ではなく僧侶(寺)の格好を

していたのがちょっと不思議でありました。




“女歌舞伎の面影を色濃く残している”ということのようですが、

足を上げたり手を前後に動かしたりと、

その踊りっぷりは実にシンプルな形式です。


小踊の子どもたちのやる気の無さ加減がたまりません(笑)。

すっかり太陽にやられてしまっています。




そんな踊りの動きよりも気になるのが、BGMのナマ唄です。


このナマ歌、6~7人が一斉に

「サア」

「ソレ」

「チャンチャンチャン」などと唄い続けるわけなのですが、

とんでもない音階の人が一人だけいるような…(笑)。


う~ん、マイク越しにその音色、インパクト大です。




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非常に個性的なナマ唄もさることながら、よくよく見ると・・・



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踊る皆さん、頭の上にアヤメだかショウブだか、お花が

ささっているではないですか・・・しかも垂直に。


ファンキー過ぎます。(^○^)




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「雨乞」、「水」の文字が書かれたウチワをひらひら

振りながら、雨乞い踊りも佳境を迎えます。


雨、降るといいです。




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正味一時間半、すべての踊りが終了です。


この「綾子踊」を保存し継承し続けている保存会を

仕切っているらしきオジサマが最後の最後にご挨拶。


来賓で参議院議員も来ていたこともあってか、


・この貴重な伝統文化を継承し続けます!

・でもそのためには非常にお金がかかるわけで・・・

 議員の先生には、そこのところどうかよろしくお願いしたく

・少子化で若者も少なく、文化の継承も難しくなってきた

・いろいろとお金が掛かるので是非支援を

・本当にお金が掛かるので・・・(ちょっと笑いが起きる)


と、明るくも切実なお悩みをとっぷりとお話しされていました。



大切に守って来られたこの文化、これからも後世に

残り続けることを祈りつつ。



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非常に興味深い行事であったなぁ…と思い巡らせながら

神社を後にしました。






いま香川県に伝わる雨乞い踊りと言えば、滝宮の「念仏踊り」と

この佐文の「綾子踊」に二分されるとのこと。


今日は「綾子踊」の、そしてちょうど明日月曜は「念仏踊り」の公開日です。



雨を願う私としては…というか、文化を体感したい私としては(^^)

明日も仕事そっちのけで滝宮に出かけねばなりません。


いえいえ、文化を知ることも私の仕事です(笑)。




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「綾子踊」

■住所
   香川県仲多度郡まんのう町佐文

   賀茂神社 境内

■時期

   8月頃、朝10:00~12:00

   ※2年に一度公開

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