森之助がいく vol.14
『野球大好き』
もう30年近く前のオールスターゲー
『野球大好き』
もう30年近く前のオールスターゲー
ムの話だ。
オールスターの監督は、各リーグ、
前年度優勝チームの監督が務める。
その年の監督は、バースの大活躍で
前年度優勝した阪神タイガースの
吉田監督だった。
吉田監督は監督推薦で、セ・リーグ
の代表の1人になんと当時の川藤選手
の代表の1人になんと当時の川藤選手
を選抜した。
選手としての力量を見込んででは
ない。野球を愛する気持ちが、誰より
も大きいということでの大抜擢だった
。
そしてオールスター第二戦、ツーア
ウトから代打で出た川藤選手はヒット
を打った。外野の深くに飛んだ打球を
見て、彼はセカンドベースを狙い、
惜しくもタッチアウトになった。
僕が今でも覚えているのは、その時
タッチした二塁手の大石大二朗が、
申し訳なさそうに帽子のつばに手を
かけたあと、そのボールを川藤に手渡
した場面だ。
大舞台で川藤が魅せたそのたくまし
さ、大石大二朗の見せたそのやさし
さ...
僕は思うのだ。野球ってすばらしい
と。
丸いボールを投げて、それを木の棒
でぶっ叩く、そんなシンプルなスポー
ツに、大の大人が、幾つになっても
一喜一憂する。
僕は野球が好きです。