質問を頂きました。

(このブログに頂いた質問やコメントは、同じような疑問や感想をお持ちの方のために公開しています。)

 

 

いつも大変に参考になる記事をありがとうございます。
質問です。
56歳女性。変形性股関節症の進行期で保存療法2年目。
プールウォーキングやエアロバイク、筋トレをして、股関節に負担が掛からないような生活をして、痛みが落ち着いてきました。
今年の検診で骨粗鬆症が分かり、薬剤で治療を開始しました。プールウォーキングは中止して、ウォーキングを7000歩するように言われました。
(1)股関節に負担の掛からないように運動するのと、骨を刺激して強くするのは、正反対だと感じています。
どちらを優先した方が良いのか、迷っています
(2)今後痛みが増した場合には、人工股関節手術をするつもりですが、骨粗鬆症の場合でも、手術は出来ますか?もし、出来る場合は通常の手術と異なる点はありますか?
(3)骨粗鬆症の治療は続けていくつもりですが、人工股関節になった場合は緩みなど、将来的には再置換のリスクは高くなるのでしょうか?

 

 

 

質問ありがとうございます。

 

では、できるだけ簡潔に答えさせて頂きます。

 

 

1)

まず、結論から言うと、どちらを選んでも骨は萎縮していくと思います。

(期待されている答えでなくて、すいません。)

 

仮に自分が体重を十分かけたつもりでも、一般的に、痛みのある関節側の骨は瘦せていくからです。

 

 

2)3)

骨粗しょう症であっても手術は可能です。

 

理由の1つは、変形性股関節症の股関節の部分の骨密度は高いことが多いので、意外に骨は固いことが多いからです。

 

ただし、本当に骨萎縮のある、髄腔化した大腿骨に対する人工股関節手術は、熟練した医師が執刀した方が良いと思います。

 

骨皮質の薄い、髄腔化した大腿骨にステムを固定するには、一定上の技術が必要です。

 

長期成績は、結局、その術者の技量に左右されることが多いので・・・。

 

ちなみに、

「臼蓋側の骨が、カップが普通に固定できなくらい脆い」

ということは非常に少ないのですが、

この場合は、更に熟練した先生(目安としては執刀経験が数百件以上)にお願いした方が良いと思います。

 

少し怖いことを言いましたが、

「臼蓋側が異常に脆い」

ことは経験上、非常に少なく、

・長年、寝たきり

・食事がほとんど入っていない

・異常に低い骨密度

など

そもそも、「普段、歩行していない」「人工股関節を希望しないであろう」方が

ほとんどだと思うので、心配する必要は少ないと思います。

 

 

簡単ですが、以上です。

 

少しでも参考になれば幸いです。