質問を頂きました。
(このブログに頂いた質問は、同じような疑問をお持ちの方のために公開しています。)
人工股関節置換術において、関節包温存について伺いたいです。
温存は、脱臼リスクを少なくするためと思うのですが、「関節包はいずれ再生するので長期的には問題ないとのことで温存に拘らず切除する」という医師もいらっしゃるようです。
温存派の医師が、関節包が緩い患者に対して、関節包に必要な緊張を保たせるために、術足を(2センチほど?)長くしたというケースを聞きました。
温存と切除で長期的には違いがないのであれば、ここまでの脚長差をつけることにあまり意味はないように思うのですが、いかがでしょうか?
脱臼リスクを少なくするための方法としては、骨頭を大きくするとか、オフセットを大きくするなど他にも方法はあるのかなと思ったりする次第です。
もし、お答えいただけるようであれば、お願いします。
質問ありがとうございます。
多分、今は人工股関節手術の際は、(前方侵入でも後方侵入でも)関節包を温存することが多いと思います。
確かに切除しても、関節包のような組織が再生されますが、脱臼は術後早期に多いので、後ろの壁はあった方がいいでしょう。
また、緩さについては、
変形性股関節症では、関節包は変性して硬いことが多いのですが、骨頭壊死のような場合は緩い時があります。
骨頭を大きくしても緊張自体は強くならないので、ハイオフセットがいいかもしれませんね。
(患者さんの股関節によって違いますが、一般的にの話です。脚延長しないと緊張が保てないことも確かにあります。)
以上です。
ちょっと詳しくて、よくわからない方も多かったかも知れませんが、せっかくの質問だったので答えさせて頂きました。
少しでもお役に立てれば幸いです。