質問を頂きました。
(同じような疑問をお持ちの方のためにも、このブログに頂いた質問は公開させて頂いています。)
こんばんは。DAAと同じ前方のAMISで神経障害の発生率はどうか、ということでしょうか?
私は両側AMISを受けましたが両側とも外側大腿皮神経麻痺があると思っています。
症状を伝えましたが断言されないので自分で調べた結果です。
私の症状は、若干の知覚鈍麻や、つまんだり軽く引っ掻いた時に他の場所のそれよりも痛いという感じですが、動作に支障はなく、触れなければ普段は忘れています。
神経麻痺はどの術式も起こり得る、術式により起きやすい場所が違うと書かれていましたが、先生の術式ではいかがでしょうか?
質問ありがとうございます。
2点について簡単に答えていきます。
① AMISで手術を受けたが、外側大腿皮神経障害がある。
外側大腿皮神経の走行には個人差が大きく、前方から侵入すれば障害が起きる可能性はゼロではありません。
AMISでも起きる可能性はあると思います。
後日、解剖の話をする予定なので、参考にして下さい。
もう1つの可能性として、「AMISの下肢保持システムなどを使用しているけど、侵入自体はDAAだった」という可能性もあります。
② 私の術式での神経障害はどうか?
「神経麻痺はどの術式も起こり得る」
「術式により起きやすい場所が違う」
というのは、その通りです。
体のどこを触っても、触った感覚があることからわかるように、神経は体中どこにでも走っています。
私は後外側アプローチなので、前面を走行している外側大腿皮神経障害はおきません。
起きるとすれば、坐骨神経麻痺などでしょうが、幸運にも私の執刀では起きたことはありません。
それでも、坐骨神経麻痺が起きた患者さんは何人か見たことがあります。
今回の話は「DAAでは高確率で外側大腿皮神経の走行上に当たってしまう」ということです。
ネットで「外側大腿皮神経」「解剖」「走行」などで画像検索をして、質問者様の手術の傷が神経走行と重なっていないか、を確認しても良いかもしれません。
以上です。
少しでも参考になれば幸いです。