台湾が中国への団体旅行の販売を停止 | 日置研究室 HIOKI’S OFFICE

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作家の日置俊次(ひおきしゅんじ)が、小説や短歌について語ります。
粒あんが好きですが、こしあんも好きです。

 

  台湾が中国への団体旅行の販売を停止

 

 中国はいつも、じわじわと国境を攻めてくるやり方を取っていて、漁船などを尖閣諸島に出入りさせたり、あるいは東シナ海において海底油田など資源開発を活発化させ、日中の地理的中間線あたりに無断でどんどん施設を作っています。そうやって少しずつ既成事実化していくという方法をとるので、ぼ―――とみていると、すべて中国のものになってしまいます。例えば南シナ海ではフィリピンとの国境で、あからさまにさまざまな問題を起こしており、国境線を動かそうとしています。フィリピンは強く抗議しています。

 ロシアは北海道はロシアのものだという発言をしており、中国も九州まで中国のものだという発言をしています。国際社会はいつもこうなっていて、2倍要求すれば、自分の主張は、全部ではなくともかなり通るという発想があります。国際的外交の駆け引きでは、普通の考え方です。中国は、尖閣諸島や沖縄だけではなく、九州まで要求すれば、少なくとも尖閣諸島は自分のものになると考えて発言していますし、北方領土問題は、北海道までロシアだと言えば、全部自分のものになるとロシアは考えています。2倍要求する、余計に要求するという、こういう考え方を知らず、ぼ―――としているだけでは、対応できません。

 日本としては、例えば千島列島もカラフトも日本であると、どんどん言い返していかないと、やり合えないのです。そこには商売のやり取り、値引きのやり取りと同じような駆け引きの性質が見えます。無理を言っているのではなく、歴史的にはカラフトも千島列島も日本に帰属する根拠があります。なぜか、北方4島だけとか、2島返還とか、だんだん要求を小さくしていくことが日本人のやり方ですが、これはまるで美徳などではなく、外交の舞台では笑いものにされてしまいます。要求は大きくしていくものなのです。

 台湾は、軍事的にいつ攻められるかわからないという状況が続いており、非常に敏感になっています。最近、中国は台湾海峡上空における民間航空機の航路を台湾寄りに変更しました。これはどんどん国境を侵して、領土を拡張するいつものやり方です。日本だと、ぼ―――とみているだけだと思います。香港がどうなったか、思想言論弾圧がどうなったか、周庭さんがなぜ指名手配されているのか、日本人は考えてみようともしません。

 そこで台湾は、中国への団体旅行を禁止しました。こういう素早い、覚悟のある対応をしていちいち抗議していかないと、すぐに飲まれてしまいます。しかもかなり柔軟に対応しています。すべてが戦略的に動いており、一歩でも引くと負けてしまいます。そういう緊張感を、日本人は理解していません。もともと中国が台湾への団体旅行を禁止しているのですから、当たり前の対応でもあります。

 台湾には、現在の大陸は違法な共産党政権に支配されているが、中国全体の本当の政府は台湾であり、台湾が中国の中心であり、大陸の上に立っているという歴史的認識も存在します。共産党と対立していた従来の政治勢力が台湾に亡命したからです。台湾の国立故宮博物院には中国文化の伝統の中枢を担う国宝級の文物が多数保管されています。本来の漢字(本字)も台湾で維持されています。これは大変重要な事実です。

 いま日本は台湾を理解し、台湾と仲良くすることが、重要な方策であると考えます。

 報道を見てみましょう。

 

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台湾が中国への団体旅行の販売を停止 中国側の飛行ルート変更が影響か

2/7(水) 20:11配信 TBS NEWS DIG Powered by JNN

 

中国当局が台湾海峡上空における民間航空機の航路を台湾寄りに変更したことを受け、台湾当局は中国行きの団体旅行の販売を停止するよう通達しました。

 

現在、台湾から中国への団体旅行は認められていませんが、台湾の観光署は解禁を前提に、3月1日から5月31日の期間について団体旅行の販売を認めていました。

 

しかし、中国当局は今月から、台湾海峡上空を南に向かう航路について、台湾寄りに変更すると発表。事実上の停戦ラインとされる「中間線」までわずか8キロの距離となり、台湾側が反発していました。

 

こうしたなか、台湾の観光署は7日、旅行代理店などに対し、中国への団体旅行の販売を停止するよう通達しました。

 

「情勢の変化や、台湾人旅行者の安全を考慮した」としていて、航路の一方的な変更に加え、中国から台湾への団体旅行が解禁されないことが影響したとみられます。

 

なお、既に販売された3月から5月の団体旅行については渡航を認めるとしています。

TBSテレビ

 

天天快樂、萬事如意

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