ルメの目の色  卒論の注意点 | 日置研究室 HIOKI’S OFFICE

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作家の日置俊次(ひおきしゅんじ)が、小説や短歌について語ります。
粒あんが好きですが、こしあんも好きです。

 

  ルメの目の色  卒論の注意点

 

 ちょうど1年前の記事です。参考になると思いますので、再掲します。

 どんなことに気をつけて卒論を書けばいいのかという話題です。

 いつも全体をよく見て、しっかり判断することが必要であり、ある一部分だけ見て推測で判断するのはまずいというお話をしています。それはただの思い込みであり、卒論としては0点になります。

 

 これから卒論や論文を書く時の注意点を述べます。まず、たとえ話をします。

 

 私のインスタには、愛犬ルメの写真が1万枚以上掲載されています。このブログにも、数えきれないほどの写真が掲載されています。ブログにすでに掲載した写真から、何枚か選んで、下に並べました。

 

 ルメの目のいろは、左がブラウンアイ、右がブルーアイです。

 しかし、特に青い目の方は、光の加減でどんどん色が変わりますし、日陰や夜間などでは基本的に黒く見えます。瞳孔というものは環境に合わせて変化します。これは、これまで何度も記事に書いてきました。記事を読んでいる人には周知の話です。それからなぜかわかりませんが、ルメの目の青い色は、とても写真に写りにくいです。

 

 ある人が私のブログの1枚の写真を見て、ルメの目の色は黒じゃないか、青いというのは嘘じゃないかと、どこかで得意そうに話しているらしいです。写真という証拠があるというのです。

 

 確かに、ルメの目が黒く見える写真はたくさんあります。しかしそれはいつでもそうなのではなくて、たまたまその写真がそうなっているのです。

 例えば、東大を卒業した人の中には泥棒になった人がいるでしょう。しかしその1人を証拠としてあげて、東大生や東大卒は全員泥棒だというのは、理にかなっているでしょうか。1人の例は証拠になるでしょうか?

 あるいは、日本人の中に詐欺師が1人いるとします(確かにいます)。すると日本人全員が詐欺師であるということになるのでしょうか。裁判官も含めて全員犯罪者であるというのでしょうか。

 

 ある小説を論じるとき、作品を全部読まずに、1ページだけ読んで、この小説はだめだとか、訳が分からないと批評することは正しいでしょうか。小説を批評するなら、全体を読まなければなりません。そのほか、必要な文献を読まなければなりません。

 

 例えば見たことのない映画を、タイトルだけ読んで否定するようなことはあってはなりません。しかし、研究者といわれる人たちも、そう言う愚挙を平気でやっています。そしてそれに自分で気づきません。私の授業を、面白おかしく批判して否定する人が多いです。それは全員、一度も授業に出席したことのない人たちです。出たことのない授業を批判できるでしょうか? 彼らは作り話をしています。手続きに欠陥があります。

 

 「私は一度も漱石を読んだことがない。嫌いだからだ」という卒業論文を見たことがありますが、言っていることが矛盾しています。嫌いだというためには、何冊も読まなければならないのです。

 

 食べたことのないラーメン屋、その店に行ったこともないラーメン屋を大声で批判するのは、ただの悪意であり、またそれは嘘であり、詐欺行為です。

 

 このブログでは、ルメの眼の色について何度も繰り返し繰り返し注意していますし、何百枚も写真を掲載しているのですから、それを読んだり見たりしたうえで話をしなければなりません。それが正しい手続きです。ルメの目の色は変幻自在だと、私は何度も書いています。

 

 ルメの批評をするのなら、とにかくマウントを取りたいという欲望を捨てて、公明正大にすべてを調べてから、根拠をあげて批評しなければなりません。自分の目でよく見て、よく考えて、判断しましょう。それから文学作品、芸術作品を論じるのはけなすためではなく、悪意を満たすためではありません。まず対象を愛さなければなりません。

 

 それから、マウントを取ろうとする人たちの中には、青い目の方が黒い目よりも上だという発想が見え隠れするのですが、それは軽薄な西洋コンプレックスの表れです。眼の色の多様性や不思議さについては、西洋世界に住んでみないと、なかなかわかりません。国際的な経験と視野の広がりを背景にして、私はものを言っています。

 

 卒論を書く時も、作品の全体をしっかり把握してから、仮説を立てたり、結論を出しましょう。そうしないと、論じている本人は気づきませんが、いずれ恥をかきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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