”幽霊の日” | 日置研究室 HIOKI’S OFFICE

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作家の日置俊次(ひおきしゅんじ)が、小説や短歌について語ります。
粒あんが好きですが、こしあんも好きです。

 

  幽霊の日

 

 昨年の今日、書いた記事です。少し手を入れて再掲します。

 

 

 今日7月26日は、幽霊の日です。

 1825年(文政8年)のこの日、江戸の中村座で四代目・鶴屋南北作『東海道四谷怪談』が初演されました。『東海道四谷怪談』(通称『四谷怪談』)は、四谷左門の娘・お岩が、夫・民谷伊右衛門に毒殺され、幽霊となって復讐を果たすという話です。

 江戸の町に実際に起こった事件をモデルにしています。怪談の定番とされ、鶴屋南北の歌舞伎や三遊亭圓朝の落語が有名であり、また映画化もされていて、様々なバージョンが存在します。

 幽霊の日というので、実際に幽霊が出たという恐ろしいエピソードを想像してしまいますが、舞台初演の日というのは、ちょっと冷静すぎる話であるような気がします。お岩さんの日とでもいえば、わかりやすいかもしれません。

 

 また、今日は、日光の日であるそうです。日光というのは、栃木県にある地名のことです。

 弘法大師(空海)は吉野・大峯山などで修行を積んだのち、平安時代の803年に東大寺で出家しました。その足跡は日本のいたるところに残されています。弘法大師が、820年のこの日栃木県の「二荒山(ふたらさん)」を登った際に、「二荒」を「にこう」と音読みし、「日光山」と漢字が当てられ命名されたと言われています。夏だったので、きっとすごい日差し、日光であったのでしょう。

 二荒山は中禅寺湖の北にある男体山(なんたいさん)の別名であり、二荒山神社の奥院があります。この山は782年(延暦元年)、勝道(じょうどう)上人が開山したときは観音菩薩が住むとされる補陀洛山(ふだらくさん)といい、これが訛って二荒山(ふたらさん)になったといわれています。名前の変遷がさまざまなドラマを生んでいますね。

 要するに、もともと補陀洛山だった山が、日光山になったわけで、めでたさには変わりがありません。

 

 日光の日でもあり、幽霊の日でもあるという今日は、とても暑い真夏の一日です。

 

 

  

 

    皆様のご健康をお祈りいたします。

    そして皆様に、すばらしい幸運や喜びがやってきますように。

    いつもブログを読んでくださり、ありがとうございます。