『昼下がりのルビー』刊行のお知らせ | 日置研究室 HIOKI’S OFFICE

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作家の日置俊次(ひおきしゅんじ)が、小説や短歌について語ります。
粒あんが好きですが、こしあんも好きです。

 

  『昼下がりのルビー』刊行のお知らせ

 

 アマゾンの電子書籍で、長編小説『昼下がりのルビー』を出版しました。

 出版元は日置研究室です。

 書籍原版、カバーデザインなども一人で作成しました。

 電子版は、紙版の本と違い、特殊な条件がいろいろあり、試行錯誤の繰り返しで、とても苦労しました。

 紙の本でも出版する予定ですが、別の編集が必要ですので、かなり先の話になります。

 これは調整が終わって、お読みいただける状態です。

   

 三部作をすべて電子化しましたが、『サファイアの夜明け』はまだ、Kindleでテキスト調整中です。キンドルはレイアウトが崩れやすいのです。

 

    

 

 内容をご紹介します。

 この小説は切ないラブストーリーです。


 『エメラルドの夜』では、相似形の暗い過去を持つ2人の登場人物、ヒナタと亞圖木正雄(あずきまさお)が、運命の出会いをする物語が描かれています。
 舞台は台湾の台北です。正雄は日本人の大学教授で、研究のために台湾に滞在しており、大学で授業をしています。
 その教室に、ヒナタという台湾人の美しい女子大生がいます。
 正雄とヒナタの2人が出会い、日常生活のなかで冒険をしていきます。
 正雄は歌人で、短歌を詠んでいます。その正雄の作る歌を鍵として、謎解きに似た物語が展開していきます。30歳も年齢の離れた正雄とヒナタは、学生と教授の関係にありますが、心に深い闇を抱えた2人は、立場と境遇の違いを乗り越えて、次第に心を通わせていきます。
 正雄が住んでいるのは、台北北部にある、北投・地獄谷と呼ばれる温泉地区です。そこにはエメラルド色に沸き立つ源泉の湖があり、常に濃密な湯気に取り巻かれています。一歩足を踏み外せば、熱湯に落ちて死んでしまいます。
 正雄とヒナタは、果たして結ばれるのでしょうか。
 2人の間には、ときどき龍の影がひらめきます。この龍とは、いったい誰なのでしょうか。

 小説『サファイアの夜明け』は『エメラルドの夜』の続編であり、台北の北投にある地獄谷の湯気に包まれた湖のほとりで、ヒナタと正雄の関係が次第に深まりを見せていきます。
 その2人をつなぐ絆のように現れた神龍の影が、生者と死者、日本とヨーロッパ、日本とアジア、過去と現在という異次元を往還する通路となり、そこより巨大な時空を前にした、二人の魂の冒険が始まっていきます。
 『エメラルドの夜』『サファイアの夜明け』はともに、芥川龍之介がキーワードとなる小説であり、芥川龍之介にオマージュが捧げられています。
 この作品では芥川龍之介の登場を契機として、近代文学の作家たちの姿が描かれていきます。そこから、現代という時代が浮かび上がります。「なぜ台湾なのか」「なぜ短歌なのか」という謎が、ゆっくりと解きほぐされていきます。正雄が日本に帰国する時が迫ってきますが、ヒナタとの関係はどうなってしまうのでしょうか。

 『昼下がりのルビー』は『サファイアの夜明け』の続編であり、宝石三部作を締めくくる物語となります。


 亞圖木正雄(あずきまさお)は歌人であるとともに、近代文学の研究者です。中学・高校の国語の教科書に載っている文学作品に、大胆な解釈を展開しながら、昔から謎とされている問題にすべて答えていきます。そしてこの文学という大きな波の渦の中にたちながら、自分も小説を書こうと決心します。心に深い闇を抱えて、いつ自殺してもおかしくないヒナタを台湾に残して帰国していいのか、正雄は悩みながらも、ひとりで帰国する決意をします。すると、これまでバラバラに描かれてきた物語の糸が、一つに結ばれ始めます。そこには台湾の現政権の蔡英文、デジタル大臣であるオードリー・タンなどの存在も絡んできます。正雄ははたして、ヒナタを台湾に置いて帰国できるのでしょうか。
 台湾を愛するすべての人に、そして芥川龍之介を愛するすべての人に、この繊細なラブストーリーを捧げます。
 これはとてもながい長編小説ですが、作品の中に短編小説が組み込まれ、別の世界を楽しむことができるように構成されています。

 

    エメラルドの夜 新版

  

    サファイアの夜明け 新版

  

    昼下がりのルビー 新刊

 

    著者 日置俊次

 

 

以下、kindle の電子書籍リンクです。

 

 

 

 

 

 

 

            皆様のご健康をお祈りいたします。

    そして皆様に、すばらしい幸運や喜びがやってきますように。

    いつもブログを読んでくださり、ありがとうございます。