新入生の皆さんへ
このブログは文学部の学生のために、文学の世界の話をしています。文学という視点からのお話です。
ここでは特に大学に入ったばかりの新入生の皆さんに話しかけます。
文学の世界を扱う卒論は、早めに書き始めることが大切です。
1年生の時から準備しましょう。
みなさんは素晴らしい卒論を書くために、大学に入学したのです。
もちろん急に卒論といわれても、どう書いたらいいのかわからないのが普通です。
つまり、イメージがわかない、実感がないというところに問題があります。
まずイメージを持つことが重要です。私の教え子である近代文学専攻の学生は、まず日置俊次で卒論を書くことを考えてみましょう。例えばということです。
「日置俊次論」です。
日置俊次の短歌や小説を論じます。
材料はこのブログにありますね。
このブログも重要な資料として用いることができます。
日置がこういう考え方をしていた、こういう話をしていたという証言となります。
証言を集めれば資料となります。まだ学会では日置俊次研究が始まっていませんので、あなたは先駆者になります。基礎資料のまとめが必要です。
ブログから資料を引用するだけでも、ほとんど規定枚数を越えてしまいます。
授業の様子も資料になります。
授業では、毎回原稿用紙50枚にわたる教材資料を手作りで配布しています。
これも一回分引用するだけで、卒論の規定枚数に達します。
引用は、卒論の重要な柱です。論じるための資料をできるだけそろえるということです。
とりあえず日置の言葉などを引用しながら、卒論を書くことを想定してみましょう。先行研究論文などの文献はほとんどないので、調べる必要はありません。
このようにして、書くための実体験を重ねるのはいいことです。
卒論ってこうすれば書けるんだという実感を持つことが、まずは大切なのです。
もちろんそのまま「日置俊次論」で卒論を出すこともできます。
どうでしょうか。できそうですね。
就職で言うと、内定を一つもらったようなものです。卒論が確実に一つ書けるんだという喜びです。内定をひとつ得た学生は自信が出て、次々に内定が出ることがあります。こういう自信、卒論のいわば内定確定が、大きな意味を持つのです。
このイメージで、どんどん進めていけばいいでしょう。例えば村上春樹論を書くということもできます。
同じように、夏目漱石論を書くことができます。
ただし、こうした場合は、まず研究論文などの文献をよく調べましょう。
