大ババタヌキは、和裁が得意です。
内職でしたが、その収入は
会社勤めの 男性をしのぐほどあったとか。
朝から、晩まで仕事をしていました。
「夜なべ」は当たり前でした。
針に糸を通す仕事は 子供たちの仕事でした。
呉服屋さんの名前は 「ほていや」
その中で 一番の稼ぎ頭だったというのは
大ババタヌキの自慢話です。
それほど、和裁が得意な 大ババタヌキは
小学校で、裁縫を習って 浴衣ぐらいは縫えたかな?
その程度の 裁縫の腕前だったそうです。
呉服屋「ほていや」さんのご主人が
「訪問着を縫えますか?」 と 聴かれたときに
「はい。判りました。縫えます。 見本も一緒に届けてください」
と伝えて 引き受けた時には
訪問着なんて縫ったことが無い!
それでも、出来ないと言えば 仕事を失うので
見本をほどいて また縫い直す
縫い方をすべて真似て 学んだそうです。
「出来ないと言わない」
「出来るようにする」 工夫と努力の結果
和裁が得意になった そうなのです。
手先が器用なだけでは、良い仕事は出来ません。
早くきれいに仕上げなければ 仕事とは言えないと
思ったそうです。
そのために、習ってもいない 「糸扱き」方法を
自分で考案して 編み出したそうです。
出来ないことは 努力して 出来るようにする
と 本気で思えば 出来るようになる。
これが 大ババタヌキの長生きの秘訣です
飛騨の里にて