バンダイ 1/35サンドランド104号車 可動改造_其の壱 | ひのきの模型工房 ブログバージョン

バンダイ 1/35サンドランド104号車 可動改造_其の壱

今年も5月の11日・12日と、静岡ホビーショウの合同作品展に「可動戦車模型愛好会」として参加させていただきました。

実は4月の米原オフ会も出席できず、私用でバタバタしており、個人的にホビーショウ2日間参加は無理では...

と危惧しておりましたが、なんとか都合をつけて例年道理2日間行ってまいりました。

 

今年のホビーショウで、うちのクラブで今回一番多かった新作が、なんと、バンダイの1/35サンドランドの104号車の可動改造で、3台も出展されておりました(笑)

 

実は、ホビーショウ前に、1/35サンドランド104号に乗せる小型のギヤボックスが欲しいとクラブ員の方から話を頂き、その時初めてバンダイからプラモが出ていることを知りました。

サンドランドと言えば、亡き鳥山明氏の作品で、わたしも彼の作画・イラストは大好きで、サンドランド自体のアニメは全然知らないのですが、4月末から始まるゲーム(steam版)はやっておりました。(ゲーム好きなのでw)

残念ながらゲーム自体は、なかなか時間が無くて進んでおらず、現在墜落した巨大飛行艇の中を104号に乗ってさまよっている状態ですw

 

で、

ギヤボックスを提供する時に、キットを買って自分でも可動させてみようと、起動輪とか転輪とかいろいろ作ってみたのです。

1/35と言っても、サイズも小さく起動輪も小さく、T34のような履帯と起動輪では、なかなかスムーズに回転せず、いろいろ試して最後は起動輪のカタチを変えて(爪付き起動輪w)動かすことにしました(笑)

 

ホビーショウ後に、2名の方から、改造パーツを分けてほしてと言われたので、さらにいくつか手を加えて改造し、一応提供できそうな状態になったので、ブログに掲載することにしました。

 

 

前置きが長くなりましたが、

 

まずは、ギヤボックス!!

612モーターを使うと、幅2cmに収まる薄型ギヤボックスBタイプを104号用に使ってみることにしました。

104号の内部の幅は3cmあるので、ここまで薄く無くても乗るのですが、1cmの余裕がある分、大きめのモーターも使用できるので、それらを使うと中低速時のトルクもアップし運転しやすくなります。

砂漠を爆走する104号のようにスピードもアップできるし(笑)

 

ちなみにモーターは6mmパイのモノならほとんど使えます。

ギヤボックス自体は、ギヤ比 88:1 と、わたしの中では低速気味で、トルクの弱い612(写真の一番短い奴)でもそこそこの中低速が出せる仕様になってます。

だいたいは、長くなるほど回転数が早くなって、トルクもアップするので走行性能はよくなりますが、回転数が早くなると制御基板によっては扱いにくくなる場合があります。

その辺は、使用するメカでテストしながらモーターを決めるのがいいと思います。

あと、このギヤボックスはモーターから出ている軸の長さは短いほうが良いです、長いとギヤボックスからはみ出すので、長いとはみ出したシャフトを逃がせるようにシャシーに穴を開けたりする必要があります(もちろんモーターのシャフトを短くカットしても良い)。

ギヤの構成はちょっと特殊で、モーターを奥まで差し込んで使えるように一枚特殊なギヤを増やしてます。

 

ギヤボックス自体の組み立て方法に関しては省略します。

現在、うちの3Dプリンターで造形したギヤボックスでは、完成後(完全硬化後)で若干の精度の誤差があって、実際にギヤを組み込んでスムーズに動くかどうかを確認してから使用することにしてるので、他の方から頼まれた場合は完成品をお渡しするようになります。

 

<< ギヤボックスの取り付け >>

ギヤボックスを取り付けるシャシー底のパーツの内側後ろ部分は削って平らにします。

 

起動輪の位置は若干後ろ寄りに、若干下寄りにします。

 

<< ギヤボックスをネジ止めする時のコツ(?) >>

ギヤボックスには6角ナットを組み込んで裏からねじ止めできますが、ギヤボックスはサイドの面にぴったりくっつけた方がガタツキが無くてよいです。

なので、ねじ止めの穴を開ける時は、印をつけた位置より若干(0.5mmほど)外側に穴を開けてネジを通して固定したほうがいいです。ネジ穴が外側すぎても、少しずつ穴を内側に広げて、ギヤボックスがぴったりくっつく位置で固定します。

 

 

<< 起動輪・転輪・誘導輪 >>

 

今回、サスペンションを可動させるかどうかで、転輪のパーツを分けています。

上の写真の上が起動輪、下が前方の誘導輪のパーツで、真ん中が転輪パーツです。

写真の転輪パーツは、サスペンション固定用のもので、サスペンション可動用の転輪は、サスアーム部やスカートに干渉しないように写真の転輪より薄く作ってます。(薄さ以外の形はほとんど同じ)

 

起動輪は、5mmのゴムブッシュを長さ4mmにカットしたパーツを中に組み込んで接着します。

 

前方の誘導輪は、ストッパー付きシャフトを組み込みます、このシャフトがそのままキットのモールドに差し込めるようになっています。

 

下の写真は、サス固定仕様の転輪の取り付けで、転輪の軸をキットのモールドに差し込む(接着する)だけです。

サス可動にしなければ、ギヤボックスを取り付けて、転輪・誘導輪を接着すれば足回りは完成!!

後は履帯を組み立てて履かせれば、すぐに走行可能になります。

 

逆に

サス可動にしようと思うと、付属のサスアームは使えないので、サスアームからトーションバーまで自作しなければならず大変です。

キット自体も小型で転輪も片側4つしかなく、サス可動にしても走行中の効果は微妙なので、無理にサス可動にしなくても良いと思いますが(笑)

 

とりあえず、可動サスの作成は後回しにして、

 

<< 可動・走行用の履帯>>

 

オリジナルの連結履帯を作りました

履帯のパーツは22コマでワンシートになって造形されます。

シートから外す時は、まずシートを横方向に湾曲させて、下から出ている左右のサポート材を浮かすように外し、

最後は一コマずつ倒すように折り曲げて外していきます。

 

コマの接続は、両サイドからピンを差して、最後は治具を使って根元まで押し込みます。

ピンが入り辛いコマは、別のコマに変えるか、0.5mmで開けなおしてからピンを差し込んでください。

ピンの差し込み具合は、使うピンやコマによってばらつきがあって、「カツン」と簡単に奥まで入るものや、強めに押し込まないと入らないモノもあります。

 

片側46コマで丁度良いと思いますが、ギヤボックスの位置(起動輪の位置)とかで1コマ調整が必要な場合もあるかもしれませんので、1コマは後で切り離せるように、ピンの代わりに0.4mm程度の真鍮線を使っておいても良いと思います。

 

履帯を履かせて、フェンダーパーツ等を取り付けた状態です。

ギヤボックスが後ろに出ている分、後ろに差し込むパーツは、内部をぎりぎりまで削っても、上の写真のように2・3mm

隙間が空きます。

走行中に取れやすいので、ホットボンド等で仮止めしておく方がよいでしょう。

 

履帯の上に乗るフェンダーパーツもなるべく内部を削って履帯の接触を防ぐ様にしてください。

キットのサイドの上部転輪の軸受けのモールドは使用しないので、きれいに切り取っておいた方が履帯が干渉しなくてよいです。

転輪の軸の先端が、スカートを付けた時に、ちょうどスカートに触れるくらいの位置になってます、これは転輪の軸の接着がはがれてもすぐに抜けないようにするためです。

 

後で紹介するムービーでは、ムービーの先頭で履帯の回転テストを行っています。

起動輪の爪と履帯がキチンと噛み合って、回転中に履帯が浮いたりしないかどうかをテストしています。

 

サス固定改造の紹介はここまでです、

 

 

<<  サス可動改造  >>

 

まずは、完成品を裏から見た写真です。

左右4×2列の転輪のサスアームとその軸を差し込む枠組ごと造形し、サスアームは0.3mmのピアノ線を使ってトーションバー方式にしています。

転輪のサスペンションが出来上がってから、最後にキットのシャシーの裏側に貼り付けます。

 

 

サスペンションアームを差し込む枠のパーツとサスアームです。

サスアームの軸はきついようなら2.5mmのドリルで開けなおしてください。(ガタツキが無いようにきつめに設計してます)

ドリルで穴を開けなおす時は、パーツ自体が割れないように注意してください

枠のパーツには、逆V字のエラのようなパーツが縦についています、これは枠のパーツが造形後の乾燥・2時硬化の過程で反るのを防止するためで、サスアームが軽く動くように穴を調整出来たら、エラを割って外してください。

パーツのやすりがけには400番くらいのサンドペーパーを使ってください。

 

0.3mmのピアノ線の先端を下の写真のようにコの字形に折り曲げて反対側に通し、反対側でゆるみが無いように折り曲げます。

その折り曲げる位置(角度で)サスの強さが決まります。

下の写真の上が、車両の先頭になります。

反対側からも同様にピアノ線を通します。

 

これを繰り返して、8個のサスアームを取り付けます。

 

この状態で、キットが組みあがった時点で、転輪の高さ(サスアームの角度)が丁度良い状態になるのが理想の強さなのですが、まずそんなに上手くいきませんw

 

なので、多少強めにしておいて、転輪の高さを強制的に調整したほうが楽です。

その高さの調整用に、0.7mmくらいの真鍮線をまげてあてがいます。

一番先頭の転輪だけは、ストッパーを付けてないので、下にも動きますが、あとの転輪は上にしか上がりません。

一番前にストッパーを付けようと思うと、サスアームの取付枠が前に伸びて前から見るとみっともないかと思い付けませんでした(笑)

 

ここまで完成したら、キットの裏面に張り付けるのですが、その前にサイドの面はサスアームの上下可動に邪魔にならないように、平らに削っておきます。

 

両側のサスアームの幅は、ぎりぎりなので、張り付ける時は両方のサスアームが動く位置を確認しながら行ってください。

瞬間接着剤を使うときにはサスアームの軸受けの中に流れ込まないように気を付けてください。

ただ、接着に関しては、あとで剥がせるような多目的接着剤やホットボンドなどで仮止めしておいても良いかもしれません。

接着後でもピアノ線の交換はできますが、外して交換したほうが調整・修正は楽です。

 

最後に、転輪を取り付けて履帯を履かせれば完成です。

 

サス可動バージョンは、転輪の幅が薄くなっていて、スカートの中でも上下しやすくなってます。

 

 

<< テストムービー >>

 

最後に、テストムービーを掲載します。

ムービーの前半は履帯と起動輪の「合」のテストで、後半はサス可動車両のテスト走行です。