台風19号。
甚大な被害を残していった。
そしてまた雨が降っている。
うちはありがたいことに
特に被害なく、今日も
いつもの日常ってやつを過ごせている。
今回の台風に関して
国とか都とか県とか市とかが
それぞれ総力をあげて
危ないからね！
備えてね！
避難所とかどこにあるかわかってる？
ここら辺は浸水する可能性があるからね！
っていうのを
すごく伝えていたと思う。
うちは2歳の子どもがいる。
大型犬は一匹、猫は3匹いる。
避難所はたぶん入れない。
だからってもし自宅がどうにかなりそうなら
置いていくという選択肢もない。
じゃあどうする？
っていうのを毎日ニュースを見ながら
台風の進路を確認しながら考えてた。
準備は前もって少しずつ行っていた。
ホームセンターやスーパーで
物が足りなくなるのは予想できていた。
台風が過ぎ去った後も
きっと流通がうまくいかない部分もあるだろうと
台風が過ぎるまでではなく
台風が過ぎたあと数日分の食料も備えた。
普段はあまり考えない献立も
その時ばかりは考えた。
そして当日。
夫は台風直撃に備えて仕事を入れなかった。
そして家にいた。
午前中はyoutubeを見て過ごし
たまに外の様子を確認しながら
またyoutubeを見ていた。
お昼ごろになると
「もし浸水したら車逝っちゃうかな？」
と仕事で使う車の心配をし出した。
なんで今になって言うの？
昨日のうちにできたでしょ？
移動するなら今のうちに行け。
今行かないなら絶対に行くな。
もし浸水してもあきらめろ。
そう少し怒った様子を見せると
少し黙ってうろうろした後
「車移動させてくるわ」
と外に出て行った。
外は暴風雨だった。
「近くの立体駐車場に駐めてくる」
と言っていた割に帰りが遅い。
まさか・・・という予感は的中した。
夫から電話がかかってきた。
「今ついでに川見てきたんだけどやぁばい！」
「そんで今セブンなんだけどなんかいる？」
・・・・怒。
なんもいらない。
そして無事帰ってきたのだけど
帰ってからの夫のテンションはおかしかった。
「川すごいことなってたわ～」
「でもセブンまだやってたし大丈夫でしょ」
「ってか雨すげぇ！」
「お腹空いたからなんか食べよ！」
何ワクワクしてんだ。
マジ何ワクワクしちゃってんだこいつは。
災害の時に真っ先に死ぬタイプ。
マジ死んで仕方ないタイプ。
そして適当に昼食を作り食べていた。
気づいたらお酒を飲んでいた。
「ここは大丈夫だと思うんだよね」
何の自信なの？
何なの？
無駄にポジティブなの？
確かにうちは鉄筋の建物で
自宅の場所も4階だから
いまゆる垂直避難ってやつが
できてるやつだった。
でもそれにしても無駄なポジティブさを
感じてモヤついて仕方ない。
そして夕方。
晩ご飯を作ってくれていた。
ありがたい。
ありがとうと席に着くと
私は気づいた。
私が献立を考えて仕入れた食材は
夫の好きなように使われていた。
私は料理が得意じゃない。
むしろ苦手で嫌いな方だ。
残り物でパパッとなんて作れない。
だからこそいろいろ考えて準備していた。
それが一気に崩れた。
これ、〇〇に使おうと思ってたのに。
そう夫に伝えると
「あ、そうなの？まぁいいじゃん、おいしいと思うよ」
とあっけらかんとした返事。
そしてまた酒を飲む。
youtubeを見る。
「台風の生中継してるバカなyoutuberいないかな？」
なんて言ってる始末。
お前がバカヤロウだよ。
そして早々に眠りについた。
この一件ではっきりとわかったこと。
子やペットの命に対する責任感が違う。
私はずっと
この子たちの命をどう守ろう
と考えていた。
夫も考えていなかった訳ではないと思う。
でもその考えるレベルが全く違った。
あと、この台風の中でも必死に
会ったこともない人たちを守るために
一生懸命仕事している人たちに対して
この人はなんの感謝もないんだなと
残念な気持ちになった。
「命を守る行動を」
あんなに呼びかけてくれていたのに。
それとは真逆の行動をしやがって。
台風が過ぎ去った今、
私はひどい疲労である。
私ひとりでこの子たちを守れるかという
プレッシャーが半端なかった。
自分だけならこうはならなかった。
なんとかなるだろう、
そう思っていたと思う。
でも今は自分だけではない。
守りたい命がある。
他の家族の状況を少し聞く機会があった。
やはり
妻が買い出した万が一の食料の量に
夫が苦い顔をしたと。
こういう非日常というか
危機が迫った時
それぞれの価値観がぶつかりやすい。
夫は夫なりの「大丈夫」があって
それは私にとっての「大丈夫」には
足りないと感じたというだけ。
子に対して
父と母のちがいだったのか。
自分だけじゃなくて
誰かを誰かと守るって
話し合いが大事。