ベッド上で

四つん這いになっていた私は、

 

とりあえず

ベッドサイドに立ち上がる。

 

 

 

 

 

すると

うんちが漏れたような感覚が。

 

 

 

 

 

出ちゃったかも、

と言って立ち止まると

 

「赤ちゃんが骨盤に

 ハマったんだと思うよ。

 はい、こっち」

 

と、なんでもないように

分娩台へ案内される。

 

 

 

 

 

なんとか分娩台に着く。

なんとか分娩台に乗る。

 

 

 

 

 

このとき私の血圧は

相当上がっていたようで。

 

具体的な数値は

教えてくれなかったものの、

 

「息まないで~」

 

とずっと言われていた。

 

 

 

 

「息まないで~

 はっはっは~って

 息を吐いてね~」

 

「そうそう上手だよ~」

 

 

 

 

 

でも息まずにはいられない。

 

息むなと言われても

息んでしまう。

 

でも分娩台に乗って、

しばらくして先生も来て、

 

なんだか安心したのか

 

 

 

 

 

眠くなった。

(メンタル最強か)

 

 

 

 

 

陣痛の合間に

眠いな~…

とつぶやくと

 

「寝ちゃダメやろ!

 起きて!産んで!」

 

と先生に言われた。

 

 

 

 

13時すぎだったのかなぁ。

 

我慢できない痛み。

息まずにはいられない感覚。

 

 

 

「はっ、はっ、はぁああああああぁああぁああぁぁぁぁ!」

 

 

 

と声が出てしまった。

 

 

 

 

 

息むなと言われたのに

息んでしまった、

 

というのがその時の気持ち。

 

それが子の頭が出た瞬間。

 

「頭出てきたよ~次は肩やね~」

 

でもそこからも時間がかかった。

 

また途中途中、

 

 

 

 

眠気に襲われた。

 

 

 

 

それでもなんとか13時半ごろ、

 

子、誕生。

 

 

 

 

 

すぐに抱っこさせてくれた。

写真も撮ってくれた。

 

そしたら子はすぐ

身長やら体重やら測るために

ベビーベッドのような所に。

 

付き添ってくれていた母も

陣痛室へ戻って行った。

 

 

 

 

 

はぁ~産んだのか~…。

あれが私の子どもか~…。

へぇ~泣いてる~…。

 

 

 

 

 

…眠っ。

 

 

 

 

 

産んだ直後って

もっと感動的だと思ってた。

 

もっとなんか産んだ瞬間に

 

「私の赤ちゃん!

 産まれてきてくれてありがとう!

 かわいい!」

 

ってなるのかと思ってた。

 

 

 

 

現実の私は抜け殻だった。

 

分娩台で

お股おっぴろげて

抜け殻だった。

 

 

 

しかも先生、

会陰切開のあと

縫わずにどっか行っちゃって。

 

 

 

お股おっぴろげのまま

だいぶ長い時間

分娩台にいたと思う。

 

そんで

 

 

 

 

寝てたと思う。

 

 

 

 

考えてみれば、

陣痛開始から約35時間。

 

 

途中、

陣痛止めて寝たけど、

 

それも5時間寝たか寝ないか。

 

そりゃ眠いわ。

 

出産の感動なんやらより

 

 

 

 

眠いわ。

 

 

 

 

そして

会陰切開のとこを縫ってもらい、

 

一旦陣痛室に戻ったのは

午後3時半ごろ。

 

2時間も分娩台にいたのか、

と後から知る。