マスコミは、自民と立憲の党首選で持ち切りだ。
これほど取材し易く、そこそこの視聴率も取れるものはないから、楽だね。
競馬予想じゃないんだから、もういい加減にしてほしいけどね。
まるでバラエティー番組みたいになるから、自民党にとっていい宣伝だ。
政治資金パーティーで向けられていた国民の厳しい目を、逸らすことができる。
そうなることは分かっていたが、実際そうなってしまった。
朴訥・純粋そうな石破さん、アランド=ドロンのような進次郎さん…。
どっちが成っても、2代目か3代目だよね。庶民からは遠い人たちだ。
そして政治活動は、トランプさんに習って、すべて政治ショーとなってきた。
立憲の党首選は、自民と比べればやはり地味だ。
小沢一郎さんが陰で動き出したりして、党内の主導権争いはより陰湿に見える。
いや、どの政党でも組織でも、日本人は足の引っ張り合いが一番得意なんだけどね。
結局誰が成っても、坂本龍馬が言ったような”日本を洗濯する”ことはできない。
魔界窟のように複雑になった日本の世の中を、一刀両断にすることは不可能だ。
総理大臣はお雛様のようになってしまい、日本の政治権力の象徴でしかなくなる。
じゃあ、日本の舵取りは行政機関のエリートである官僚が、がんばって行うのか?
でも、官僚のお仕事がブラックなことが分かって、東大出身者も逃げ出している。
残っても、マスコミや国民の目が厳しいので、思い切ったことはやれない。
こうして、日本を荒療治する信長のようなリーダーは現れず、
日本のあらゆる組織で、慣行はそのまま、既得権益は残り続ける。
それを”ガラパゴス化”と言うが、革命が起きて血が流れるよりましかもしれない。
ロシア・中国・北朝鮮のような国は、独裁者に権力が集中する仕組みになっている。
ちょっと悪口・批判しただけで、牢屋に入ったり殺されたりしなければならない。
だから、今の”ドングリの背比べ”のような政治状況は、幸せなのかもしれないね。
政治家が頼りにならなくても、世の中に夢を持てなくても、じり貧になっても、
税金がじわじわと高くなっても、経済が新興国にあっさり追い抜かれても、
やっぱり日本人は日本が好きなんだな。みんなで仲良く、楽しく衰退していこうね。