旧優生保護法は最高裁で憲法違反と確定した。

なんとこの法律は戦後の1948年に作られたものだ。

おまけに、超党派の議員立法で作られたという。

 

今さらなんだ!

当たり前の結論を出すのに、何と76年もの歳月が経っている。

その間、とんでもない人権侵害が日本中で大手を振って行われ続けた。

 

日本の司法に正義はあるのか?

こんなに長きにわたって、この法律を放置していたこと自体が犯罪だ。

少なくとも、怠慢そのものに他ならない。

 

目的の一つは「優生上の見地から不良な子孫の出生を防止する」ことだった。

障害に関して遺伝性疾患などとみなされた人に対して、

本人の同意なく!、子どもをできなくさせる不妊手術を施した。

 

不妊手術は、国が調査しただけで少なくとも2万5千件以上行われていたという。

ナチスじゃあるまいし、敗戦で民主主義に生まれ変わったはずではなかったのか?

でも、戦後生まれの日本人は、ほとんどこの人権侵害を知らなかったに違いない。

 

なぜ、多くの日本人が知らなかったのか?

国民の意識の低さはさて置き、マスコミが問題視せず報道しなかったからだ。

こんなことを長く見過ごす日本のマスコミ・言論界って、いったいなんだ!?

 

親自身も、障がいを持つ子が恋愛したり結婚したりするのは不幸だと思っていた。

何故なら、障がい者同士が子どもを育てることだけでも、

日本の社会がサポートする仕組みを用意しなかったし、その意思もなかったからだ。

 

親が障がい者同士の子どもであっても、必ずしもまた障がい者になるとは限らない。

それに、また障害を持つ子どもができたとして、その何が悪いというのか?

結局はまた障がい者を差別することに他ならず、その根本は変わらない。

 

さらに旧優生保護法の問題だけに留まらないことも、知らない国民が多い。

日本では国そのものが人権侵害したり、人権侵害を放置した事例がたくさんある。

まさにエリート中のエリートと言われる官僚たちが、それらを主にリードしてきた。

 

そして日本に、おりのように溜まって山となった法律・政令・規則・条例…。

個人の力ではテコでも動かないような、無駄に大きい蜘蛛の巣のような組織。

日本全体がこれらでゴミ屋敷のようになり、時代閉塞の元凶となっている。

 

これらの大掃除ができるのは、信長の出現か、革命か?

そうだね、それらはみんなが死ぬような痛みを伴うから、誰も望まないよね。

じゃ、みんなで仲良く沈んでいくしかないか…?