東京・練馬区のアパートのごみ箱で乳児が見つかった。

逮捕された22歳の女は、ごみ箱に乳児を遺棄したことを認めた。

乳児は、幸い通りがかりの人に発見されたので、命に別状はない。

 

この事件は全国ニュースとなり、逮捕された時の様子どころか、

アップされた容疑者の顔や表情までが、繰り返し放映された。

ネット上にも、その動画や記事は今もアップされている。

 

確かに、そのまま放置したら乳児は死ぬから、法律上は大きな罪となる。

乳児は自分の分身とは言え、罪状は殺人未遂となる。

では、水子の霊をたくさんつくる中絶は、大きな罪とはならないのか?

産み捨てた乳児も水子も、生命を持った同じ生き物だろう。

 

容疑者の女は地下アイドルのおっかけフリークで、大阪から来ていた。

同じ追っかけ仲間3人と、アパートの一室に寝泊りしていたという。

まともな生活を送っていたとは、到底思えない。

 

また、容疑者は「出産したことがばれたくなかった」と語っているという。

つまり、望まぬ妊娠・出産ということだ。

乳児を遺棄する女性たちには、たいてい幸せになれない悲しい背景がある。

知的障がい者である場合も多く、自分の行く末を的確に判断できないことも多い。

 

でも、報道がここまであからさまなのは、

容疑者の生命尊重・道徳観念の欠如、無軌道な生活を攻撃する意図があるからだ。

それは、高邁なペンの正義なのか?犯すべからずの報道の自由なのか?

 

逮捕の瞬間を、報道各社がここぞというタイミングで撮影しているので、

きっと警視庁の記者クラブか何かで、事前に知らせていたんだろう。

だからこの報道は、警察とマスコミとのタッグで計画的に行われていた。

 

大きな間違いを犯したとは言え、この若い女性には将来がまだたくさんある。

でもこの報道によって、少なくとも数十年先は社会的にも前科者扱いだ。

ネット上にも顔写真・動画がアップされたので、記録としては永久ものだ。

もっとも恥ずかしいことを、日本中・世界中に報道され知られてしまった。

 

これは、人権侵害・行き過ぎた報道そのものでしかあり得ない!

確かに、彼女のやったことは愚かなことだろう。

でも、自分のしたことを反省し、これから人間的にも成長し、

将来いい女性・母親になれる可能性は、全くゼロというわけではない。

 

仕返しができない弱い立場の個人だから、事細かく暴き立てて報道するのだろう。

だから、これは全くいじめそのもので、ペンのリンチだ。

時々ある乳児遺棄事件でも、そのプライバシーを容赦なく暴いて個人攻撃をする。

 

事あるごとに「人権、人権」と騒ぎ立て、社会の木鐸を気取っているマスコミは、

こうして、一個人の人権や将来性を、平気な顔で簡単に踏みにじる。

次の被害者はあなたになるかもしれないよ!その可能性は大いにある!