団地の中で、お年寄りがあちこちで亡くなっていく。
一軒家のお家の場合は、その子どもが継いで住まなければ解体する。
だから今、あちこちでお家を解体している。
NHKの「解体キングダム」では、解体職人の凄さを顕彰する。
隣のビルとの隙間がほとんどないビルの解体、
ひっきりなしに車が往来する真上の橋の解体など、難工事が取り上げられる。
そこで活躍する解体のエキスパートは、
大した給料をもらっていないのに、日夜を違わず、おそらく世界一の技を使って、
工事に献身的に取り組む…という美しいお話だ。
けれど、近所で行われている一軒家の解体は、少しもドラマチックではない。
たいてい1台の重機が入って、大きな鉄のアームでゴンゴン叩くと、
かつての夢のお家は、あっけなく崩れていく。
1軒の家を解体するにも、いろいろな準備・手順が必要だろう。
例えば、解体時の摩擦で火を出して火事を起こさぬよう、
一人が、常にホースで水をかけている作業もあったりする。
けれど、重機で壊し始めたら作業は早い。重機の威力は凄い。
あっという間に、家の敷地はきれいな更地となる。そこは日本職人の技だ。
廃棄物を運搬・処理することの方が、今は大変だろう。
また安全確保に関するコンプライアンスをやたらに求められるから、
場合によっては、ずっと立っているだけのガードマンを雇う。
こうして、費用はどんどん積み重なっていく。
昔は、解体にはそんなに費用はかからなかった。
作業もおおざっぱだったし、悪い業者なら大量の廃棄物を山に捨てただろう。
今は環境保護のため、細かな廃棄物処理が必要で、それでまたコストがかかる。
新築の家を建てるには、田舎でも数千万円の金が要る。
古い家を壊すだけでも数百万の費用がかかるようになったんじゃ、
日本国民はもう、夢のお家を建てようという気が無くなっちゃうよね。
中古のお家をなるべく安く買い、必要ならリフォームするのが一番賢いかな…。
でも、日本人は新しい家を建てたがるし、業者もそうさせようと必死だろう。
無理して大きなローンを組んで、夢のお家と一緒に心中するしかないのかな!?