この頃、「帯状疱疹、大丈夫ですか~」というような

疾患啓発コマーシャルなるものをよく見かけませんか?

最初は帯状疱疹CMで驚いたが、今は新手のものが次々に出てくる。

 

他には「認知症疾患啓発」「肺炎予防啓発」「C型肝炎疾患啓発キャンペーン」

「ニキビ疾患啓発キャンペーン」等々、枚挙にいとまない。

中には、「長寿検診受診勧奨CM」なんてものもあるよ。

テレビCMで放映されたり、YOUTUBEやSNSのサイトに動画があったりする。

 

中でも帯状疱疹疾患啓発CMは、風吹ジュンと井上真央というタレントを起用し、

まるでホームドラマ仕立てにした映像を何種類も作っている。

テレビで大々的に放映しているから、ほとんどの国民は何回も見ているはずだ。

 

このCMはロンドンに本社を構える外資系の製薬会社が出している。

気管支喘息の薬や抗ウイルス薬を生産している会社だ。

日本支社の現地工場が国内にあるが、このワクチンを作っているんだろうね。

 

恥ずかしながら、ぼくはこの帯状疱疹CMを真に受けて、かかりつけの医者に、

「この予防ワクチン注射を、打っておいた方がいいと思うんですが…」と言ったら、

医師は吐き捨てるように、「そんなものは必要ないです」と。

 

製薬会社の金儲けキャンペーンに過ぎない!…ともろには言わなかったが、

そんな趣旨のことを言って、ぼくの提案・疑問を一蹴した。

そして「帯状疱疹になってしまっても、今はいい治療薬がある」と付け加えた。

 

後で調べてみると、この予防ワクチンは2回で4万円以上かかり、

自治体によっては補助金が出るところもあるが、

出ても2万円以上の自己負担が要る。そんなことはCMでは絶対に語らない。

医師の言ったことも、さもありなんと納得させられる。

 

この英国の会社は、次は呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染症の予防啓発を始め、

CMに大物歌手”さだまさし”と”平原綾香”を起用した。

「気にしてください、RS感染症!」シリーズだ。題そのものが直球だよね。

これも全国テレビ放映だから、もの凄いお金をかけているよね。

 

「気にしてください…」は

国民の健康を本気で心配してくれているというより、

どうしたって、製薬会社と医療との結託を感じるよね。

 

でも中には、お金の匂いがしない疾患啓発CMもある。

ALS=筋萎縮性側索硬化症の患者自らが企画・出演したCMだ。

 

患者さんは「治せる病気だと証明したい」という意気込みを込めて制作した。

この難病が存在することを、世間にもっと広く知ってもらいたいと言う。

将来の有効な治療法・治療薬の開発促進につなげたい、という狙いがあるのだろう。

 

世の中のあらゆるキャンペーンは、資本主義世界では大抵金儲けの為のものだが、

その中には、明るく真っ当なものもあれば、意図を巧妙に隠した悪だくみもある。

または、その両方が混じっているものもある。

それらをちゃんと認識・区別ができないと、結局自分に大損害が及ぶことになる。

 

現代人はたいへんだ~~~!!!