家の新築・マンションの値段が高騰する理由には、

円安による建築資材の高騰がよく挙げられる。

でも、それ以外の理由があると思うよ。

 

近所を散歩していれば分かることだ。

まず、一軒の家を建てるのに、今は必ず立派な足場を組むことだ。

それだけで数十万円はかかるそうだ。

 

ひと昔前は長い丸太を太い針金で組み、大工さんはそれを伝って登っていた。

少々危険だったかもしれないが、足場で施主に費用を求めることはなかった。

今は安全第一。でもそれが新築コストを押し上げる。

 

家にガス管や水道管を引き込む工事をする時、今は必ず警備員を立てる。

そんなに危険なの?そんなに水道管が破裂したりガス爆発したりする?

とにかく安全第一。コンプライアンスの遵守が最優先。

それが新築コストを更に押し上げる。

 

それに加えて、労働生産性に低さ。

新築の家の玄関前を、石材を敷いてきれいにするだけなのに、

どれだけたくさんの職人が来て、どれだけ日数がかかったことか!

確かにきれいな玄関前はできたが、そんなにバカていねいにしなくてもいい。

 

コスト上昇には、建築業界の構造・慣習の要因も大きい。

発注者から直接依頼を受けるのが「元受」で、

その仕事の一部を受ける「下請」へ、

更に、その下請けから仕事の一部をもらう「孫請」へ丸投げだ。

 

元受けが業務を次々に外注することによって、費用はどんどん膨らむ。

外注は費用を削減するのが本意のはずだが、現実は逆になっている。

昔は、棟梁が無駄のないように人や仕事を差配し、目配りしていたが、

今は、その役目に責任をもち、効果的に果たす者がいない。

 

結果、新築家屋や新築マンションの価格は景気が悪くても高騰し、

サラリーマンは、年老いるまで高額なローンを返済し続ける。

それで、憲法が謳う「健康で文化的な生活」が送れますか?

 

今、空き家は日本中で増えていて、お家はたくさん余っているよ。

「新しいお家」にこだわらなくてもいいのじゃない?

中古のお家を安く買って、浮いたお金で人生を楽しく充実させたら?

お家の不満な部分は、安く賢くリフォームすればいいよね。

 

新築一軒家・新築マンションは、

数年経てば中古物件となり、日本では大きく値打ちが下がるよ。

大事な一生をかけるに値しないし、一緒に心中するにも値しない。