NHKの朝ドラの主人公は、女性が主役となるのがお決まりだ。

たまには、男が主役になることがある。

最近では、植物学者の牧野富太郎の一生を描いた「らんまん」があった。

 

でも朝ドラは、視聴者層がどうしても主婦が多いから、

共感できるテーマを選ぶとなると、女性が主役となることがほとんどだ。

 

鼻につくのは、物語の内容のワンパターンだ。

おきゃんな女性の主人公が、周りの人たちに大切に育てられ、愛され、

終には幸せになったり成功したりする…

「おしん」のように艱難辛苦しても、どこからか必ずいい人が現れて救い出す。

 

このような女性の成功譚は、

「女性活躍」が求められている今の社会の雰囲気・気運に呼応している。

”女性解放”や”女性活躍”の機運は、今に始まったことではない。

戦後では、アメリカの”ウーマンリブ”の運動が、日本にも大きな影響を与えた。

 

戦が起こると男は大活躍するが、死体の山が築かれる。

大抵の女性は銃後を守り、夫が戦死すれば独りで生きていくのも大変だ。

女性が伸び伸びと活躍するのは、平和の証だとも言えるかもしれない。

 

でも女性が活躍することを、悪く言えば”のさばる”ことを、

男はみな、本当に掛け値なしに歓迎しているのだろうか?

歓迎していないと言えば、「男らしくない」「器が小さい」「女性差別だ」等々

非難されることを怖れ、大抵の男は黙して語らない。

でも本心はそのことに怖れを抱いたり、不快感を持っていたりするのが本音では。

 

理科系の女子特別入学枠を、東工大はじめなんと9つの有名大学が作ると言う。

趣旨が分からないでもないが、そのお陰で入学できない男子が必ず発生する。

大学入学だけではない。

支援制度など、既に日本では社会のいろいろな場面で、

女性に特別なイスを用意していることが、男性より圧倒的に多い。

 

アメリカでは、「黒人や移民などのマイノリティーにハンデを与え過ぎている!」

と不満を抱く白人層が増え、それがトランプ政権を成立させた。

今まで差別されてきた、理不尽な扱いを受けてきたとされる人々に、

特別の手厚い保護やチャンスを与えていることに、怒ったのだ。

 

マジョリティーの人々が相対的に不利益を被っていると思い、

ついにはそのことが、国を大きく動かすようになってきた。

ヨーロッパも同じことで、それを人は「右傾化」の嵐と言う。

 

日本も、今まで”不当に差別されてきた”?女性を応援することについては、

もういい加減鼻についてきたと、多くの国民が感じ始めたのでは。

これからは、朝ドラで”けなげにがんばる女性”を応援しなくたっていいのでは。

 

女にとっても男にとっても、がんばることは、成果としての成功を予定している。

でも、固定化し閉塞した今の日本社会では、

成功して金持ちになるという一発逆転は、滅多にないということが分かってきた。

だから既に女性の方も、多くはがんばることに飽きてきている。

 

ついでに言えば、江戸時代の女性暗黒史観はウソだね。

女性は確かに”家”に縛られ抑圧されていただろうけど、男もそうだった。

それに、したたかで生物学的にも強い女性が、男に抑圧されっ放しなわけがない。

抑圧されたら、必ずどこかで仕返ししやり返している。

 

今度のNHKの朝ドラは、

抑圧されて元気のない、今の日本男子を応援する筋立てにしてほしいな (^_-)-☆

寅さんだって言ってたじゃないか!

「男はつらいよ」ってね。