日本の神話は、何度読んでもおもしろくないと思っていた。

ぼくは日本人なのに、なんでおもしろくないと思うのか?非国民なのか?

そのわけが分かった!!!

 

日本神話、とくに天孫降臨の下りは荒唐無稽で親しめない。

でも、NHKの「英雄たちの選択」を見て分かった。

当然だった。ただの作り話だったからだ。

 

天孫降臨とは、天照大神が孫のニニギノミコトに地上に行くことを許し、

ニニギノミコトは三種の神器を携えて、地上の高千穂に降り立ったという話だ。

このストーリー自体が押しつけがましく、かつ全くおもしろくない。

 

実は、天照大神は持統天皇、ニニギノミコトは孫の文武天皇(軽皇子)のことだったんだ。

持統天皇から孫の天武天皇に確実に皇位が継承されるよう、

藤原不比等が仕組んで、もっともらしく作り上げたお話だったんだ。

 

でも、天照大神が実は持統天皇のことだった…

ニニギノミコトは孫の天武天皇のことだったんだ…

ということは戦前ではタブーで、多分絶対に口にできなかったことだろう。

 

テレビに登場した日本書紀を長年研究してきた大学教授も、

そのことを指摘した時は、一瞬言い淀んでいた。しかし、確信をもって言っていた。

今でも、皇室の繁栄を強く願う元皇族の竹田恒泰さんがこれを聞いたら、きっと怒り心頭となるだろう。

 

NHKはすばらしい。日本史の中においても、こんなタブーを暴いてみせる。

国営放送のような身分でいながら、

時折「反政府的」な「反国家的」な放送内容を盛り込んで放送している。

 

結局、天孫降臨の話は当時の政争・政治状況を反映しており、

藤原不比等の手によって勝手に捏造されたものだった。

そしていかにも日本の正史のように装って、

当時も大国であった中国に対して、見栄を張ったものに過ぎなかったのだ。

 

改めて思った!人間の感受性・感覚はすばらしいものだ!

ぼくが”つまらない”と感じたものの正体は、やはり本当につまらないものだった。

いや、多分ほとんどの日本人も、そう感じているはずだ。