厚かましく教養がないセールスマンがよく口にする言葉、
それは、”システム”だ。
よく考えないでうっかり契約しちゃうと、
”システム”がこうなってるからと、法外な金を出さなければならないハメに陥る。
客を煙に巻いて、勝手なルールに従わせようというのが魂胆だ。
”システム”とは、誰かが勝手に考えて作り出したものだ。
「組織」が楽して、自動的に個人の行動を縛るためのものである。
”システム”は、特別な場・特別な人を対象としているのではない。
日常茶飯事、いろいろなところで手ぐすね引いて待ち構えている。
習い事をする時、その教室の先生はなんらかのシステムを用意している。
生徒は月謝を払っているのに、そのシステムに乗っからなければならない。
乗らなかったら、先生は生徒をかわいがらない。大事にしない。
ホストクラブに入れあげている愛に飢えた女の子たちは、
ホスト達が勝手に作った「売り掛け制度」というシステムに乗っかってしまい、
大借金を抱え、結局不幸のどん底に落ちている。
銀行員が客に金融商品を勧めるときは、
米粒のような字で書かれた山のような書類を読んで、OKのチェックをしろという。
客はめんどくさいから、いちいち読まずにOKのチェックをしまくる。
それも”システム”だ。
学校では、それを校則と呼ぶ。
生徒は校則に違反すると究極は放逐されるから、
自由気ままにふるまっているように見えて、
システム違反しないよう、実はどこかで細心に行動している。
もちろん、会社でも全く同じ事である。
第一日本国民である限り、人は憲法をはじめ山のような法律に縛られている。
それを全部理解・習得できないので、踏み外してしまう者も出てくる。
それを犯罪としたり、罰金を取ったりするのもシステムだ。
踏み外す者が多くなってくると、”コンプラ遵守”が盛んに叫ばれるようになる。
とかくこの世は生きにくい。生きているだけで大変だ。
だからせめて、バカな奴・ずるい奴が勝手に作った”システム”という罠にだけは、
うっかり引っかからないようにね。