DEATH NOTE前編+後編★5(89点) | 田舎のインドアアラフィフの日々

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★1/最低。見ない方がいい
★2/見どころがないわけじゃないが酷い部分が
★3/普通。あんまり面白くはない
★4/なかなかの良作、力作、工夫作。
★5/面白い。人に勧めてもOK。90点以上は是非観て欲しい。

■短評

大人気漫画の実写映画化。邦画による実写映画化は、ごく一部を除き成功している例は少ないが、本作はその「ごく一部」に入ることができたと思われる良作。点数は、前編と後編を足して2で割った。

 

■あらすじ(アマプラ紹介文より)

(前編)警視庁の刑事部長を父に持つエリート大学生・夜神月(やがみライト)は、ひょんなことから「このノートに名前を書かれた人間は死ぬ」と書かれた死神のノートを手に入れる。試しに有名殺人犯の名を書き込んでみると、翌日の新聞にはその男の獄中死が報じられていた。ノートの力が本物だと悟った月は、自らの手で犯罪者を裁き、新世界の神になることを決意。月はキラと名乗り世界中の犯罪者に制裁を加えて行くが…。

(後編)死神のリュークが落としたデスノートの力を使い、“新世界の神”と謳い犯罪者に制裁を加える月=キラ。一連のキラ事件の解決のためにICPO(インターポール)から捜査本部に送り込まれた天才・Lは、月への疑いを深めていく。月は自ら捜査本部に乗り込み、Lと互いに腹を探り合う。その折、リュークとは別の意志を持つ死神・レムのデスノートを手に入れたアイドル・弥海砂は、“第二のキラ”となり、月に協力を申し出る。

 

■総評

僕自身は、このDEATHNOTEという原作は知識として持っていて、漫画も少しは読んだことがある程度。なので、強く思い入れがあるわけではなくフラットに、純粋に映画として評価した場合、いやー面白かったなというのが率直な感想。

一点、登場人物たちの台詞が、まるでここは舞台か?のように固い表現ばかりで違和感を感じた。原作もそんな感じだったのだろうか?ただ、後編となる「the Last name」ではその違和感をそんなに感じなかった。慣れただけ?

本作における大きな魅力のひとつとしては、「死神」の表現と二人の主人公、ライトとLにあるだろう。死神のCGはほぼオリジナル通りであり、特に不満は無いもの。そして実写化にあたって一番ネックになる配役では、実力派の藤原竜也(個人的には余り好きではないが・・)、そして本作を機に注目され売れっ子になった松山ケンイチが起用された。特に松山ケンイチはメイクからしてオリジナルキャラクターの表現に凝っていて、その演技も充分ファンの期待に応えるものだったと思う。原作ファンと思われるレビューを読んでみても、この二人を称える声は多い。

そして何より、特に後編に至ってからの「頭脳と頭脳の応酬」は見ごたえがあり、この本作オリジナルとされるエンディングは「命を懸けた者同士」の戦いとして、スッキリまとまっていた。

本作の成功の要因、というか魅力は、いろんな決まり事のある「デスノート」のルールを活用した中での頭脳戦という点が大きいと思うので、キャラの再現度だけではなく、ちゃんとその点を理解した製作陣による実写化がされたことに尽きるだろう。ファンにだけ向いているのではなく、僕のように観る側が原作をよく知らなかったとしても、しっかり見ていれば、その駆け引きに置いていかれることはなくついていける丁寧さもある。

なわけで、過去の優良マンガの邦画実写化に幻滅していた層こそ、本作は観るべき映画だと思う。邦画であっても、製作陣がしっかりと原作を読んで、その魅力を理解し、それを表現することに全力を傾ければ、このような良実写化が実現するのだ。