オン・ザ・ミルキー・ロード★4(72点) | 田舎のインドアアラフィフの日々

田舎のインドアアラフィフの日々

AMAZONプライム映画が主体のレビュー。アラフィフです。
★1/最低。見ない方がいい
★2/見どころがないわけじゃないが酷い部分が
★3/普通。あんまり面白くはない
★4/なかなかの良作、力作、工夫作。
★5/面白い。人に勧めてもOK。90点以上は是非観て欲しい。

■短評

映像がことごとく美しく、動物もCGだろうけどたくさん出演してすごく自然に見えて、さらに重要な役回りもこなす。ちょっと不思議感のある映画好きにはお勧めだけどクセも強め。

 

■あらすじ(Wikiより一部伐採)

隣国と戦争中のある国に、村から戦争に行った兵士たちにミルクを届けるために、ロバに乗って村と兵士たちのいる前線までを行き来している男がいた。ハヤブサや動物たちを愛する変わり者の彼の名はコスタと言い、彼はミルク売りの母娘に雇われていた。娘のミレナは活発な美人で村の男たちの間で人気があった。
戦争が終わったらミレナの兄ジャガが帰ってきて、この家に花嫁を迎えることになっていた。ミレナはコスタに想いを寄せており、兄と花嫁が結婚する日に自分もコスタと結婚式を執り行う計画を思い描いていた。
しばらくすると、ミレナの家に花嫁がやって来た。しかし彼女は、訳有りの美女だった・・。

 

■総評

監督はユーゴスラビア出身ということで、本作は架空の国の内戦のストーリーだが多分にユーゴの紛争が本作に反映されていると思われる。動物(CG?)の描写やさりげないシーンもことごとくカットが綺麗で「この監督はただものじゃないな」と感じる。動物と画作りだけでも70点獲得。

ただ、主演の初婚の男性を演じるのは当時60歳の監督自身であり、運命の恋愛相手のモニカ・ベルッチはもちろん美しいのだが、その監督に合わせるためかこちらも当時50歳。

わざわざ自身が出演したりせず、せめて実年齢30歳前後の青年と娘にすればもっと本作は響いたのになあ。どうみても初々しさがなく、結婚を控える男女ではなくかなりの中年の恋愛にしか見えない。実年齢がそうなのだから仕方ない。いくら若作りしてもちょっと無理がある。そして、主演俳優を務めた監督自身が正直男前じゃないし、一体どの辺でモニカ・ベルッチ演じる妙齢の美女が惚れ抜く要素やエピソードがあったのか分からない。

最終的には戦争によって終生を結ばれることにならなかった男女の悲哀が一番のテーマになるのだが、軽妙な演出でそこまで重々しさは感じさせずに進んでいくし、主人公以外の強烈なキャラや、本筋とは関係ないけど意味ありげで印象的なシーンも多く、少しとっちらかり気味。このあたりで好き嫌いが分かれると思うのだが、僕的には背景の重さよりも軽妙さが勝りすぎ、後々まで心に残るような作品には足り得なかった。モニカ・ベルッチは年をとっても美しいので、ちょっと譲ってまあ良いとしても、主演俳優は誰か別の、もっと若い男前俳優が演ずるべきであったと思う。